数学の授業で学習したように、どんな複雑な関数でも微分は可能である。一方、
積分となるとそうはいかない。積分の学習では、どのようにして積分を行うか
といういろいろなテクニックを学んだはずである。微分に比べれば、圧倒的に
計算が難しいことも経験済みであろう。
例えば、ガウス分布を表す以下の関数を考える。
この関数の微分すること(導関数)は、簡単で
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(2) |
となることは説明の必要がないであろう。今まで学習してきたように、初等関
数で表すことができる関数の微分は、初等関数で表現できるのである。要する
に微分(導関数)の値を求めたいときには、人間が実際に微分をして、初等関数
を計算すればよいのである。
一方、積分となるとそうはいかない。先の式
(1)の不定積分を初等関数で表すことが
できない。初等関数からできた関数であろうとも、不定積分は初等関数の範囲
を超えることがある。だからといって、定積分の値(数値)が不定というわけでは
ない。
いろいろ計算をしていると、不定積分はできないが、定積分の値が必要な場合
がしばしば訪れる。そのときに、ここで学習する定積分を数値計算で求めるテ
クニックが使われる。
定積分は、図1に示すように面積の計算になる。したがっ
て、直感的にわかりやすく、アルキメデスの時代からあった。一方、微分法は
ニュートンの時代とすると、およそ2000年の開きがあるのである。
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著者: 山本昌志
Yamamoto Masashi
平成19年8月21日