先の練習問題、弦を三角形に張った後の様子は、定在波である。ここでは、進行波の記述
方法について、コメントしておく。進行波を数値計算すると面白いのでその方法を示す。
進行波を記述するためには、初期条件さえ記述すれば、後の差分方程式は同じである。そ
の初期条件の記述の仕方を示す。
元の波動方程式
![$\displaystyle \frac{\partial^2 u}{\partial x^2}= \frac{1}{c^2}\frac{\partial^2 u}{\partial t^2}$](img55.png) |
(20) |
には、明らかに、ダランベールの解
![$\displaystyle u(x,t)=f(x-ct)+g(x+ct)$](img56.png) |
(21) |
というものがある。これは元の波動方程式に代入すれば、それを満足していることは直ち
に理解できる。ここで、
![$ f(x-ct)$](img57.png)
はx軸を正の方向に進む進行波(forward wave)で、
![$ g(x+ct)$](img58.png)
は負の方向に進む後進波(backward wave)である。
初期条件
の波がx軸を正の方向に進む進行波として取り扱うには、どうしたらよいだろうか?。のこ
る条件は、
![$\displaystyle \frac{\partial u}{\partial t}(x,0)=\psi(x)$](img60.png) |
(23) |
である。進行波になるように、
![$ \psi (x)$](img2.png)
を決めればよい。
![$ u(x,t)$](img8.png)
を進行波と仮定する
と、式(
22)から
となる。この式を使って、
![$ \psi (x)$](img2.png)
を求めることにする。
![$ \psi (x)$](img2.png)
の定義より、
となる。進行波にするためには、
![$ \psi (x)$](img2.png)
は
![$ \phi(x)$](img13.png)
の導関数ににすればよいのである。
念のため言っておくが、後進波にするためには
![$\displaystyle \psi(x)=c\frac{d\phi}{dx}$](img63.png) |
(26) |
とすればよい。
ホームページ:
Yamamoto's laboratory著者:
山本昌志
Yamamoto Masashi
平成17年2月18日