実際にマクスウェルの方程式を解くとなるとかなりやっかいである。電場と磁場、そして
ソース(源)としての電荷や電流が入り乱れている。そこで、電磁ポテンシャルというもの
が導入すれば、見通しの良い式に直すことができる。ただ、見通しの善し悪しは解くべき
問題にかなり依存する。先の電場
![$ \boldsymbol{E}$](img73.png)
や磁場
![$ \boldsymbol{B}$](img74.png)
を用いた方がよい場合も、たく
さんあることを忘れてはならない。ただ、電磁ポテンシャルを使うと式が美しいことは確
かで、それはそれだけでもかなり意味があるだろう。
ところで、諸君に電磁ポテンシャルをきっちり説明する時間が無い。それでなくても、か
なり駆け足で授業を進めているので、新たな概念(単なる式か)を導入するとさらに混乱す
るであろう。そこで、簡単に結果のみを示すことにする。
電磁場をベクトルポテンシャル
とスカラーポテンシャル
を用いて
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![$\displaystyle \boldsymbol{E}=-\nabla \phi - \if 11 \frac{\partial \boldsymbol{A}}{\partial t} \else \frac{\partial^{1} \boldsymbol{A}}{\partial t^{1}}\fi$](img77.png) |
(23) |
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![$\displaystyle \boldsymbol{B}=\nabla\times \boldsymbol{A}$](img78.png) |
(24) |
と書き換える。すると、マクスウェルの方程式は
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![$\displaystyle \nabla^2\boldsymbol{A}-\varepsilon_0\mu_0 \if 12 \frac{\partial \...
...lse \frac{\partial^{2} \boldsymbol{A}}{\partial t^{2}}\fi =-\mu_0\boldsymbol{j}$](img79.png) |
(25) |
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![$\displaystyle \nabla^2\phi-\varepsilon_0\mu_0 \if 12 \frac{\partial \phi}{\part...
...\else \frac{\partial^{2} \phi}{\partial t^{2}}\fi = -\frac{\rho}{\varepsilon_0}$](img80.png) |
(26) |
となる。2つとも波動方程式で、ベクトルポテンシャルの源は電流で、スカラーポテンシャ
ルの源は電荷となっている。それにしても、対称性がよく美しい式である。
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Yamamoto's laboratory著者:
山本昌志
Yamamoto Masashi
平成19年6月24日