マニュアル [
2]から、Mathematicaのフーリエ変換の定義を調べる。それ
によると、デフォルトの設定の場合の離散フーリエ変換と逆離散フーリエ変換は
となっている。ここで、
はフーリエ係数、
はデータの並び、
はデータ数で
ある。
1節で示した離散フーリエ変換は、個のデータの並び
が、
のように0から始まっていた。それに対して、
Mathematicaの場合は、から始まるっている。Mathematicaのフーリエ変換を調べるた
めに、その並びを0から数え始めること
となる。こうなると、式(
24)や(
25)とほとんど同じ
であることが分かる。前節とMathematicaのフーリエ変換で異なる部分は、
- 前節の結果では、和の前の係数が や になっている。それに対して、
Mathematicaでは
となっている。
- 指数関数の符号が前節とMathematicaで異なる。
である。この違いは、Mathematicaでは基底関数として
|
(30) |
としているためでる。本質的な違いはなにもない。
以上をまとめると、Mathematicaの離散フーリエ変換は、次のようになる。
- 離散フーリエ変換の結果の は、
の角振動数の振幅を表す。
の振動数の振幅と言っても良い。
- 逆離散フーリエ変換の結果の は、
の時の値を表す。
ただし、
である。また、Mathematicaを使って離散フー
リエ変換を行う場合、
の情報はMathematicaには伝わらないので、ユーザーが
それを把握して、周波数に直す必要がある。
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Yamamoto's laboratory著者:
山本昌志
Yamamoto Masashi
平成19年6月29日