マニュアル [
2]から、Mathematicaのフーリエ変換の定義を調べる。それ
によると、デフォルトの設定の場合の離散フーリエ変換と逆離散フーリエ変換は
となっている。ここで、
![$ v_s$](img119.png)
はフーリエ係数、
![$ u_r$](img120.png)
はデータの並び、
![$ n$](img121.png)
はデータ数で
ある。
1節で示した離散フーリエ変換は、
個のデータの並び
が、
のように0から始まっていた。それに対して、
Mathematicaの場合は、
から始まるっている。Mathematicaのフーリエ変換を調べるた
めに、その並びを0から数え始めること
となる。こうなると、式(
24)や(
25)とほとんど同じ
であることが分かる。前節とMathematicaのフーリエ変換で異なる部分は、
- 前節の結果では、和の前の係数が
や
になっている。それに対して、
Mathematicaでは
となっている。
- 指数関数の符号が前節とMathematicaで異なる。
である。この違いは、Mathematicaでは基底関数として
![$\displaystyle \left\{ \frac{1}{\sqrt{N}},\, \frac{e^{-i\omega t}}{\sqrt{N}},\, ...
...\omega t}}{\sqrt{N}},\, \cdots,\, \frac{e^{-(N-1)i\omega t}}{\sqrt{N}} \right\}$](img134.png) |
(30) |
としているためでる。本質的な違いはなにもない。
以上をまとめると、Mathematicaの離散フーリエ変換は、次のようになる。
- 離散フーリエ変換の結果の
は、
の角振動数の振幅を表す。
の振動数の振幅と言っても良い。
- 逆離散フーリエ変換の結果の
は、
の時の値を表す。
ただし、
![$ \omega=\frac{2\pi}{n\Delta t}$](img140.png)
である。また、Mathematicaを使って離散フー
リエ変換を行う場合、
![$ \Delta t$](img141.png)
の情報はMathematicaには伝わらないので、ユーザーが
それを把握して、周波数に直す必要がある。
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Yamamoto's laboratory著者:
山本昌志
Yamamoto Masashi
平成19年6月29日