電子計算機
第2回
|
電子計算機ビットと情報情報量を表すビットについて学習します. 目次本日の授業のテーマ本日の授業のテーマは,以下のとおりです.
本日の授業のゴールは、以下のとおり。
ビットと情報情報とは何だろう国語辞典(大辞林)によると
英語では information. IT: information technology 抽象的で良くわからない。そこで、実際に計算してみよう。 ビットと情報ここにコインが1枚あります。これは、裏か表かのどちらかの状態を取ります。この裏かか表か、どちらかを表した場合、情報となります。この2つの状態の1つを表すことができる情報量1ビットと言います。したがって、1bitは2つの状態のどちらかを表すことが出来ます。 bitは情報の単位です。これ以上分割は出来ません。原子みたいなものです。0.5 bitは、ありません。ただし、0bitはあります。これは、情報がない状態です。 教科書に書いてある、2つのうち1つの状態を取るもの、すなわち、1bitを表すことが出できるものは、
です。これら、すべて情報を表すために、使われています。まだまだ、いろいろ情報を表すものは有りますが、ここまでにしておきます。 では、次にここに2つのコイン(異なるコインを使うこと)があります。このコイン2つで何個の状態を表すことが出来るでしょうか? わかる人、手を上げてください。 手を上げる人が、いなかった場合、
理由を聞きたいですが、時間もないので、実際に試して見ましょう。
そうです。ちょうど4通りの場合があります。ここでは、コインが2つ有ったので、2bitsです。2bitsでは4通りの状態を表すことが出来るのです。各々、10円玉と500円玉は2通りの状態があります。そして、それが2個あるためです。 2bitsの状態の数 = 2×2 簡単でしょう。それでは、
これまでの経験から、ビットとそれが表す状態の数の関係がわかったと思います。それを式で書くと、どうなるでしょうか? \begin{align} \text{N bit で表せる状態の数}&=2\times 2\times 2\times\cdots\times 2 \nonumber\\ &=2^N \end{align} そうです。簡単でしょう。 情報を表すのにビットを用いる例これまでの復習1つコインの裏か表のように、2つの状態の可能性があって、そのうち1つの状態を表すのに1bit必要であることが理解できたと思います。コイン2枚の場合、4つの可能性があって、そのうちの1つの状態を表すためには、2bits必要です。
コイン1枚の裏表を表すのに1bit必要です。各々区別がつく、N枚のコインの場合、その裏/表を表すのには、N bit必要です。その、状態の数は、2N通りあります。 正8面体サイコロの例通常の正6面体のサイコロでは、都合が悪いので、正8面体のサイコロを考えます。1~8の数字が書いてあるサイコロです(下の図)。
余談正多面体は、プラトン(BC 427 — 347)が研究したことから、プラトンの立体と呼ばれることがあります。正多面体は5種類(4, 6, 8, 12, 20)しかなく、そのことはピタゴラス(BC 580頃~BC 500頃)らによって証明されたらしい。 その頃、日本は縄文時代で、漁や狩の暮らしです。これほど昔に、ギリシャでは高度な数学が発展していたことには驚きです。 皆さんの体重を記録するためには次にここのクラス全員の体重を記録するために、必要なビット数を考えましょう。一人の人が取りうる体重の状態の数は、無限にあります。なぜならば、体重は連続量だからです。そこで、1kg単位で体重を考えることにしましょう。小数点の一桁目を四捨五入しましょう。
(例) 63.141592654… → 63 kg
ビット数と場合わけの数は、
となります。 7ビット有れば、一人の体重を1kg単位で表すことが出来ることがわかるでしょう。
この記録表には、最大0.5kgの誤差があります。これを量子化誤差といいます。体重のような連続量であるアナログデータをビットで表すデジタルデータに変換した場合、少なからず誤差があります。量子化誤差とはこの誤差のことです。 音楽用CD次に例は、音楽用CDです。みなさんも知っての通り、音楽用CDはデジタルデータが記録されています。 音楽用CDの記録方法は、
1時間の音楽の情報量は、 \begin{align} 16\times 44.1\times 10^3\times 2\times 3600=5.08\times 10^9\nonumber \end{align}である。約50億ビットである。 ここで、補助単位として、以下を使う。
すると、音楽用CD1枚の情報量は、 \begin{align} \frac{5.09\times 10^9}{8}=6.35\times 10^9 \text{byte} = 605 \text{MB}\nonumber \end{align}となる。 CD-R、1枚が700MB程度である理由がわかる。音楽用CDがまるまるコピーできる容量がある。605MBより、多く必要なのは、誤り補正の情報が加わっているからである。 |