現代社会では、コンピューターをはじめ数多くのデジタル回路が使われていま
す。一般家電においてさえ、デジタル回路が使われていないものは無いと言え
ます。デジタル回路は、演算をする回路や記憶する回路から構成されています。
これらの演算や記憶2 の回路は、論
理素子というものを組み合わせて作ることができます。論理素子を組
み合わせて作られた回路を論理回路と言います。これからは、その論理
素子を組み合わせた回路の学習をします。
実際の論理素子は、図1のような外観のICの形で販売され
ています。その中身の回路については、いろいろな種類がありその例を図
2に示します。近頃の電子機器では、このような論
理素子をそのまま使うことはまれですが、皆さんも見たことがあるでしょう。
これらのIC は1個あたり数十円で売られています。実際の工業製品では、それ
よりもずっと安く仕入れて製品に組み込んでいます。
図 2:
論理回路用のICの例。には電力+5[V]を供給し、GNDは0[V]のグ
ランドに接続する。
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最も基本的な論理素子は、ANDとOR、NOTです。それらを表すMIL論理記号を図
3〜5に、その動作を表
2〜3に示します。こ
の3つの回路を組み合わせることにより、どんな演算も可能な回路ができます。
お望みの入出力関係の回路ができます。非常に驚きですが、これは今まで学習
した通りです。どんな真理値表でも論理式で表せたのですから。このように、
入力に対して、そのまま1対1で応答する回路を組み合わせ回路と言います。残
りの授業ではこの組み合わせ回路について学習します。
一方、そのとき入力のみで応答が決まらず、以前の結果も合わせて演算を行い
出力が決まる回路を順序回路といいます。この順序回路は、記憶する回路が組
み込まれています。このようなものをフリップ- フロップ回路といいます。こ
の記憶する回路が、ANDやOR、NOTの素子でできます。これも驚くべきことです。
順序回路の学習が完了して、時間があればこれについても講義を行います。
どんな演算もできて、記憶すらできるのですから、コンピューターが可能とい
うことです。この3個の素子、ANDとORとNOTでコンピューターが作れるのです。
驚きでしょう。コンピューターは非常に複雑な機械ですが、元をただせば非常
に単純な回路の組み合わせです。インテル社の最新のCPUであるPentiumは約
7700万個のトランジスタが使われています。論理素子は、数個のトランジスタ
で可能ですから、そのCPUの中の論理素子の数は大変なものです。
1. OR回路の動作
2. AND回路の動作
3. NOT回路の動作
表 1:
OR回路の動作
入力[V] |
出力[V] |
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0 |
0 |
0 |
0 |
5 |
5 |
5 |
0 |
5 |
5 |
5 |
5 |
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表 2:
AND回路の動作
入力[V] |
出力[V] |
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0 |
0 |
0 |
0 |
5 |
0 |
5 |
0 |
0 |
5 |
5 |
5 |
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表 3:
NOT回路の動作
入力[V] |
出力[V] |
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0 |
5 |
5 |
0 |
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ホームページ: Yamamoto's laboratory
著者: 山本昌志
Yamamoto Masashi
平成19年8月20日