ここでは、2進数N桁の加算の回路を考えます。N桁の加算回路の構成がどのよ
うになっているか良く理解してください。そして、計算が回路で可能であるこ
とをよく理解してください。
いままで、1桁の加算器の回路について説明しました。今度は、複数の桁の加
算です。賢明な諸君であれば、N桁の加算はN個の全加算器用いればよいと直ぐ
に気が付くと思います。即ち、図10のようにすればよ
いのです。これを並列加算器と言います。全加算器は直列に接続されているの
ですが、加算データは並列に入力されるのでその名前がつけられと思います。
図 10:
4桁の並列加算器。2進数の
と
の
加算を行う。
|
これまでの回路は、組み合わせ回路でした。しかし、ここでは順序回路である
累算器4を用いた回路です。これは、記憶するこ
できるので順序回路となっています。
直列加算回路は、図11に示すように1個の全加算器と、2
個のレジスター(演算用のメモリー)と1個の桁上げメモリーから構成されてい
ます。これらの回路の詳細については、時間の都合でここでは述べません。そ
の動作を述べます。
この回路の動作の順序は、次のようになります。
- 図に示すように計算する数
と
を各レジ
スターに格納します。
- 次に、各レジスタを1ビット右にシフトさせます。あふれ出たビットは、
全加算器の入力となります。最初、は0です。したがって、最下位
の和が計算され、その結果がとに出力されます。
- 計算結果のは累算器の最上位のビットに格納されます。は桁
上げメモリーに格納されます。
- 次の桁の計算は、先ほどとおなじで各レジスターを1ビット右にシフト
させます。あふれ出たビットは、全加算器の入力となります。
同時に、桁上げメモリーから先ほどのデータを引き出しの入力と
します。これで次の桁の計算結果が、に現れます。
- 加算すべきビットが全て出て行くまで、以上を繰り返します。
- 全てのビットの処理が終了したならば、累算器には加算結果が残りま
す。そして、桁上げメモリーにはオーバーフローのデータが残ります。
以上が、直列加算回路の動作です。
ホームページ: Yamamoto's laboratory
著者: 山本昌志
Yamamoto Masashi
平成19年8月20日