ブルーバックスでは、次のように書かれています。
イギリスの小都市リンカーンに生まれた。職人の子として生まれたが、ブー ルは貧乏人の行く「ナショナルスクール」を出て、独学で数学を勉強する。 彼は語学の才能にも恵まれていたようで、小学校の助教諭をし、数学の変分 法についての論文を初めての仕事として書く。更に不変式論、微分方程式の 演算子法にも貢献し、アイルランドのコーク大学の教授になる。何よりもブー ルの名を今日まで不滅にしたのは、ブール代数としてコンピュータ理論に適 用されている記号論理学の創造である。彼は有名な書「思考の法則」を書い た。残念にも若くして50才でなくなった。更に、日本評論社の「現代応用数学の基礎」 [2]には、次のように書かれています。
イギリスの貧しい階層で、ほとんど独学で数学を学び、産業革命の要求から そのころに生まれた初等公教育で、小学校の臨時講師をしていたのがブール である。その業績がアカデミズムに知られるようになってからも、彼の関心 は初等教育とともにあり、ときに大学アカデミズムと対立した。彼の仲間に は、バベッジやド・モルガンなどがいて、差分解析や計算機のような、あま りアカデミックでないことに関心があったが、それはコンピュータ科学のさ きがけだったし、初等数学の代数的考察は現代数学の契機のひとつでもあっ た。イギリスの草の根アマチュアリズムの根強さを感ずる。
これからすると、かなり魅力的な人物であったように思われます。
ブール代数という数学の規則に従えば、回路を単純化することも、あるいは複 雑な回路を設計することも可能になります。ブール代数という道具を使って設 計すると、技巧に頼ることなく、決められた手順に従うことで目的の回路設計 が出来ます。要するにスイッチの回路を数式で表すことができるのです。
ここで示したのはただのスイッチですが、学習するデジタル回路はほとんど同 じです。ただ、スイッチとは呼ばずにゲートと呼びます。
我々はデジタル回路を設計する道具としてブール代数を使いますが、それ以外
にもこの数学的手法は有効です。もともとは論理的思考の道具として考えられ
たので、それへの適用は簡単です。ブール代数を一通り学習した後、論理的思
考にどのように役立つか考えることは良いことです。