まず、この回路に流れる電流の微分方程式をエネルギーという観点から導こう。 コンデンサーとコイルに蓄えられたエネルギーの時間的な変化が抵抗で消費さ れる電力になる。コンデンサーに蓄えられるエネルギーは で、コイルに蓄えられるエネルギーは である。一方、抵抗 で消費される電力は、である。これらの関係を式で表すと、
この式では、電流と電圧が時間の関数となっている。これでは見通しが 悪いので、電圧の項をコンデンサーの式を用いて消去することを考える。コン デンサーに蓄えられる電荷をとすると、 と言う関係がある。これから、 が直ち に導かれる。ここで、電荷量の時間変化は電流となるので、 となることに注意する。これらの関係式を用いて、式 (1)を書き直す。すると、
2階の常微分方程式は、1階の連立常微分方程式に直すのがセオリーである。前 期末試験の問題のように、
これを、4次のルンゲ・クッタ法で計算する場合、
これを解くためには、LとC、Rの値と初期条件が必要である。それぞれを以下 のようにする。
このような状況のもと、以下の場合について計算せよ。
プログラムのヒントをあたえよう。とは、それぞれ I0[n]やI1[n]のような配列に格納する。そして、初期値は I0[0]=0とI1[0]=1で表せる。ついでに時刻も配列 time[n]を使う。当然、time[0]=0で、 time[n+1]=time[n]+hのように計算する。最終的な解は、 I0[n]とtime[n]の関係が重要になる。