波動方程式は、名前が表しているように波の方程式である。自然科学では、波を扱うこと が非常に多い。光、電磁波、量子力学等の問題は全て波を取り扱っている。いろいろな場 面で出くわす波の方程式は簡単で、
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皆さんは、フーリエ級数を学習したときに、この方程式を解いたとはずである。ここでは、 数値計算により近似解を得る方法を学習する。もちろん、フーリエ級数で解いた解は、解 析解で完璧である。ただ、フーリエ級数が適用できるのは、空間が1次元の場合である。2 次元以上になると境界条件が簡単な場合に限り、フーリエ級数を用いて計算できる。境界 が複雑になると、数値計算で近似解を求めることが重要になる。数値計算は、空間が2次 元以上の問題で威力を発揮することになるが、ここでは学習のため、空間が1次元の問題 を解くことにする。
具体的な問題を例にして、学習を進める。比較的単純な問題として、図1の ような弦の振動を考える。これは、ギターのように両端が固定された弦である。ある時刻 の位置の変位をとしている。この変位は波動方程式、
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