電線に電池を接続すると、伝導電流が流れる。電池をつなぐことで、電線内に 電場が生じ、自由電子が電場による力を受け移動するのである。この電子の移 動が電流となる。金属中では電子であるが、水溶液中ではイオンの場合もある。 荷電粒子であれば、種類は関係なく、それが移動すれば電流となる。
電流の大きさは、そこを通過する単位時間当たりの電荷量である。式で表現する と、
この力は、モーターを動かす力となって利用されている。電流を制御すること により、磁場の強さ制御し、モーターの力をコントロールするのである。
真空の透磁率は、
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電流が定義できたので、式(1)を用いて、電荷の定義ができる。
物理量 | 単位の名称 | 単位記号 | 定義 |
長さ | メートル | m | 光が(1/299792458)秒間に真空中を伝わる距離。 |
質量 | キログラム | kg | 国際キログラム原器の質量。これは1 気圧、最大密度の温度にある水1リットルの質量にほぼ等しい。 |
時間 | 秒 | s | C の原子の基底状態の2つの超微細準位の間の遷移に対 応する放射の9192631770周期の持続時間。 |
電流 | アンペア | A | 真空中1[m]間隔で平行に置かれた無限に小さい円断面積を有する無限に長 い2本の直線導体上のそれぞれを流れ、これらの導体の1[m]ごとに [N] の力を及ぼしあう一定の電流。 |
熱力学温度 | ケルビン | K | 水の三重点の熱力学温度の1/273.16 |
物質量 | モル | mol | 0.012[kg]のCの中に存在する原子の数と同数の要素体を含む系の物質 量 |
光度 | カンデラ | cd | 周波数が Hzの単色放射を放出し、かつ、ある方向での 放射強度が(1/683)[W/sr]であるような光源の、その方向での強度。 |
本当は、力と磁場、電流はベクトルであるが、ここではスカラーで 書いている。左辺はベクトル、右辺にベクトルが掛け算で出てきているので、 ベクトル積が関係することは想像できる。これについては、後の授業で詳細に 行うので、ここでは気にしないで欲しい。
磁場のことを、磁束密度という。式(4)から、磁束密度の 単位は[ ]となる。MKSA単位系で書くと、 [ ]となる。通常はこれらに代わって、 []や[T]という単位が使われる。はウェーバとはテスラと読む。
この磁場の定義式(4)と式(2)から、長 い電線が作る磁場は、
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図3は、その点での磁場のベクトルが矢印で示している。 4の方は、磁束線を表し、磁束線の接線が磁場のベク トルの方向である。そして、磁束線の密度が磁場の強さを表す。