2 電位のポアソン方程式とラプラス方程式

電場 $ \boldsymbol{E}$は、発散を表す式(18)と回転を示す式 (23)の微分方程式を解けば計算できるが、大変で ある。一般にベクトルの方程式を計算するのは大変である。一方、スカラー 場$ \phi$を計算し、その勾配から電場を計算するのは比較的簡単である。

それでは、スカラー場が満たす方程式を考えよう。スカラー場の勾配が電場、 $ \boldsymbol{E}=-\nabla\phi$となる。また、電場の発散が電荷密度、 $ \nabla\cdot\boldsymbol{E}=\rho/\varepsilon$である。したがって、

$\displaystyle \nabla\cdot\left(-\nabla\phi\right)=\frac{\rho}{\varepsilon}$ (28)

となり、スカラーポテンシャルは

$\displaystyle \nabla^2\phi(\boldsymbol{r})=-\frac{\rho(\boldsymbol{r})}{\varepsilon}$ (29)

となる。この式を「ポアソン方程式」と言う。また、領域に電荷がない場合、

$\displaystyle \nabla^2\phi=0$ (30)

となり、この式を「ラプラス方程式」と言う。静電場の場合、一般的にはポア ソン方程式で、電荷が無い特別な場合「ラプラス方程式」となる。

ポアソン方程式(29)は、スカラーの方程式なので解 きやすい。解きやすいといっても、これを直接計算するのは、そんなに易しい ことではない2。そこで、 直感的にこの微分方程式の解を求めることにする。式(26)か ら、




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著者: 山本昌志
Yamamoto Masashi
平成16年9月28日


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