ここでも話を簡単にするために,周期を とします.そして,原点を境に 対称な場合を考えます.これは,連立方程式の練習問題がそうなっていたから で,一般的な問題に拡張することは容易です.一般化についても,後に示す私 の講義ノートを参照してください.
その,周期の半分[ ]中でN個の等間隔でデータが得られたとします. 当然,原点を境に対称という仮定がありますので,[ ]の値も分かっ ていますが,ここでは使いません.データが等間隔に並ぶということは重要で す3.すなわち,
(14) |
(15) |
さて,準備ができたので,実際のフーリエ級数の式 (1) を評価してみます.測定量である と はそれぞれN個しかありません.従って,フーリエ係数の もN個しか 決めることはできません.関数は対称と仮定していますので,反対称を示す はゼロとなり, の を求めることになります. この を積分の式(11)を使わないで,連立方程式から 計算しようというのです.
すなわち,
「なるほど,連立方程式ならば計算機は得意なので,式 (18)を解けば話は終わり」と思ってはいけません.こ こでの学習はこれを実際に計算してみることですが,実際には高速に計算する ためにいろいろと工夫ができます.何しろ, 位になるとこの式を計算 するのに膨大な時間がかかりますので,計算時間の短縮が必要になります.
この計算を高速で行うように工夫したアルゴリズムが,離散フーリエ変換 (DFT)であったり高速フーリエ変換(FFT)と呼ばれるものです.これは,データ が等間隔で並んでいるという性質を利用する方法です.もう少し詳しい説 明は,私の5M実験の講義ノートの「フーリエ変換とその周辺」を見てください. URLは以下の通りです.
http://www.ipc.akita-nct.ac.jp/ yamamoto/lecture/2003/5M_Exp/lecture_5M_Exp/fourier_transform.pdf
この波形のフーリエ級数は,積分ではなく式(18)の連 立方程式を解くことにより求めることができます.図1を表 す式は,以下の通りです.