式(1)は行列とベクトルで書くと、式がすっきりして 考えやすくなる。書き直すと、
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ここで、解く問題は行列
が
の正方行列で、その行列式がゼロでない
ものとする。要するに、普通に解ける連立方程式である。ここで、解くべき問題は、既知
の
と
から、行列方程式(2)を満た
す、
を求めることになる。この行列方程式解く過程で、
の逆行列や行列
式の値を求めることができる。逆行列や行列式は連立方程式と密接にかかわっているので
ある。
通常、連立1次方程式(1)は
行列やベクトルを使うと、格好良いばかりでなくコンピューターで扱いやすくなる。例え
ば、行列
の要素
はプログラム中では2次元配列a[i][j]として
扱える。同様にベクトル
は1次元配列b[k]として扱える。
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(5) |
次に考えられるのは、
の逆行列
を用いて、
から計算する方法である。この方法も、計算量と精度の面で
問題がある。
連立1次方程式の計算方法は大別して、2通りある。1つは、ここで学習する消去法で、他
方は反復法と言われる方法である。どちらが良いかは、係数行列
の性質に依存す
る。一般に、
が密なとき、即ちほとんどの要素がゼロでないときは、消去法が有
利である。一方、殆どの要素がゼロで、
が疎のとき、反復法が有利である。
ここでは消去法を学習するが、反復法について簡単に紹介しておく。まず、係数行列を
と変形します。すると、元の連立1次方程式は、
となる。これを解くために、漸化式
とする。もし、初期値
が良ければ、
は真の解
に収束する。もちろ
ん、
は容易に計算できる連立1次方程式になるように選ぶ。この選び方により、
ヤコビの反復法やガウス・ザイデル法、SOR法などがある。これらの方法については消去
法を学習した後に,学習する.