先週は教科書の3章のはじめで,変数について学習した.先週の講義で理解すべき内容は,
以下の通り.
- コンピューターは,データを処理--計算--する機械である.そのためには,デー
タを記憶することが必要となる.コンピューターのメモリーに記憶する.メモリー
の一部に名前をつけ,記憶領域として使うことができる.名前をつけた記憶領域
の一部を変数といい,その名前が変数名である.
- データの種類によって,記憶する方法や必要なメモリーの大きさが異なる.コン
ピューターがデータを適切に処理するために,型を指定しなくてはならない.
- 1文字を取り扱う場合は,文字型のcharを使う.
- 整数を取り扱う場合は,整数型のintを使う.
- 実数を取り扱う場合は,倍精度実数型のdoubleを使う.
- 変数を使うためには,おまじないint main(void)の次の中括弧{に引き
続いて,その定義を行わなくてはならない.使いたい変数の型と変数名を指定す
る.
int main(void){
char a, b, hoge;
int i, j, fuga;
double x, y, foo;
- キーボードから読み込み込んだデータを変数に代入するためには,型と変数を指
定しなくてはならない.文字型には%c,整数型には%d,実数型には
%lfと型の指定をする.変数名の前に&を忘れてはならない.
scsnf("%c",&hoge);
scanf("%d",&fuga);
scanf("%lf",&foo);
- 変数に格納されている値を表示するときも,型を指定しなくてはならない.文字
型には%c,整数型には%dをつかう.実数型の場合,%fや
%lf,%eが使える.
printf("%c",hoge);
printf("%d",fuga);
printf("%f",foo);
- 文字型の変数に,文字を代入する場合,シングルクォーテーションで囲む.
hoge='A';
- コンピューターの内部では,文字は整数のデータとなっている.整数と文字との
対応が決まっているので,整数として表すことができる.その対応が書かれたも
のがアスキー(ASCII)コード表である.例えば,文字Aはコンピューター内部
では整数の65として表せる.
- 変数には格納できる値の範囲がある.情報量が有限のため,無限のデータの格納
は不可能である.
表 1:
変数の型と情報量.ビット数が情報量を表している.
型名 |
データ型 |
ビット数 |
範囲 |
文字型 |
char |
8 |
-128〜127 |
整数型 |
int |
32 |
-2147483648〜2147483647 |
実数型 |
double |
64 |
正負とも約〜約 精度約15桁 |
先週に引き続き,教科書 [
1]の3章「変数と式」の学習を
行う.本日の範囲は,p.73-84である.しかし,この中には現在の諸君の知識では理解で
きない内容もあるし,当面使わないことも多く書かれている.そこで,今現在諸君が身につ
けるべき内容を厳選して,ここでは学習する.
本日の学習のゴールは,以下のとおりである.
- 実数の様々な表示方法が分かる.教科書の表3.8(p.75)を上手に使って,目的に応
じた分かりやすい表示ができるようになること目指す.
- 変数の初期化の意味が分かる.初期化していない変数には,とんでもない値が格
納されていることを理解する.
- 型修飾子constを付けることにより,定数のように扱うことができる--ことが
分かる.
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Yamamoto's laboratory著者:
山本昌志
Yamamoto Masashi
平成18年6月28日