フーリエ変換(Fourier transform)は,時間情報を周波数情報に変換している.すなわち,
時刻の関数で振幅が
![$ f(t)$](img1.png)
が分かったとすると,周波数(角振動数)の関数でその振幅
![$ F(\omega)$](img2.png)
がわかる.
この式は,次のように理解する.
の
成分--すなわち角振動数
の成分の波--
は,ベクトルの内積を用いて成分を見出すように,関数を定義域で乗じて積
分を行う.
は,周波数毎の振幅
にその波
を加えあわせた
ものである.
導関数のフーリエ変換は,電気では極めて重要なのでもう一度,話しておく.導関数
![$ f^\prime(t)$](img14.png)
のフーリエ変換を考える.フーリエ変換の定義の式(
1)に代入し,部分積分を行うと,
![$\displaystyle \frac{1}{\sqrt{2\pi}}\int_{-\infty}^\infty \if 11 \frac{\,\mathrm...
...ty}^\infty +\frac{i\omega}{\sqrt{2\pi}}\int_{-\infty}^\infty f(t)e^{-i\omega t}$](img15.png) |
(3) |
が得られる.自然界の物理量
![$ f(t)$](img16.png)
は,
である.なぜならば,無限に続く波は存在しないからである.したがって,この式の右辺
の第一項はゼロとなり,導関数のフーリエ変換は,
となる.ようするに導関数のフーリエ変換は,元の関数のフーリエ変換の
![$ i\omega$](img21.png)
倍である.
2階の導関数のフーリエ変換も考えてみよう.同じように部分積分の公式を使うと,
![$\displaystyle \frac{1}{\sqrt{2\pi}}\int_{-\infty}^\infty \if 12 \frac{\,\mathrm...
...rm{d}t} \else \frac{\,\mathrm{d}^{1} f(f)}{\,\mathrm{d}t^{1}}\fi e^{-i\omega t}$](img22.png) |
(6) |
となる.式(
4)から,
![$ f^\prime(-\infty)=f^\prime(\infty)=0$](img23.png)
であ
る.これから,右辺第一項はゼロとなる.右辺第二項は,導関数のフーリエ変換となって
いる.したがって,二階の導関数のフーリエ変換は,
となる.同じ計算を進めると,
![$ n$](img25.png)
回の導関数のフーリエ変換は,
となる.
本日の内容は,教科書から離れてる.本日のゴールは次のとおりである.
- フーリエ変換を利用して電気回路のインピーダンスが求められる.
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Yamamoto's laboratory著者:
山本昌志
Yamamoto Masashi
平成19年2月22日