3 実験方法

3.1 測定回路および注意事項

図16に示す回路で，トランジスターの静特性を測定する．測定 に使用する機器を表1に示す．また，測定中は以下に 注意すること．

• 測定するトランジスターの最大定格は，以下の通りである．この値を超えると破 損することがある．
  • ベース電圧 $V_B$ = -12 [V]
  • コレクター電圧 $V_C$ = -20 [V]
  • コレクター電流 $I_C$ = -150 [mA]
  • コレクター損失 $P_C$ = 150 [mW]
• $V_C\times I_C$は絶対に$P_C$を越えないこと．特性曲線を描く前にコレクター 損失曲線を描いておくとよい．
• 測定中にトランジスターの温度が上昇して測定値が変動することがあるから，手 早く測定すること．

図 16: トランジスターの静特性測定回路

表 1: 実験に使う機器

記号	装置	型番	台数	備考
	トランジスター実習回路		1
Tr	NPN型トランジスター	2SB439	1
$V_B$	直流電圧計		1	ベース電圧測定用
$V_C$	直流電圧計		1	コレクター電圧測定用
$I_B$	直流電流計		1	ベース電流測定用
$I_C$	直流電流計		1	コレクター電流測定用
$E_B$	直流電源		1
$E_C$	直流電源		1

3.2 V $_{\textrm C}$-I $_{\textrm C}$特性 およびV $_{\textrm C}$-V $_{\textrm B}$特性測定

1. 直流$E_C$を調整し，$V_C$の読みを0にする．
2. 抵抗を調整し，$I_B$の読みを-0.05［mA］一定にして，$V_C$を0から0.1[V]ずつ 上昇させながら1[V]まで変化させ，そのときの$I_C$の読みを記録する．
3. $V_C$が1[V]を超えたならば，今度は0.5[V]ずつ上昇させながら，そのときの $I_C$の読みを記録する．ただし， $V_C\times I_C$の値，すなわちコレクタ消費 電力$P_C$ が150[mW]に達したら，$V_C$の上昇を止める．記録方法は，表 2を参考のこと．
4. $I_b$=-0.10, -0.15, -0.20, -0.25［mA］一定として，前と同様の実験を繰り返す．

表 2: V $_{\textrm C}$-I $_{\textrm C}$特性 およびV $_{\textrm C}$-V $_{\textrm B}$特性

	I $_{\textrm B}$=-0.05[mA]		I $_{\textrm B}$=-0.10[mA]		I $_{\textrm B}$=-0.15[mA]		I $_{\textrm B}$=-0.20[mA]		I $_{\textrm B}$=-0.25[mA]
V $_{\textrm C}$[V]	V $_{\textrm B}$[V]	I $_{\textrm C}$[mA]	V $_{\textrm B}$[V]	I $_{\textrm C}$[mA]	V $_{\textrm B}$[V]	I $_{\textrm C}$[mA]	V $_{\textrm B}$[V]	I $_{\textrm C}$[mA]	V $_{\textrm B}$[V]	I $_{\textrm C}$[mA]
0.0
0.1
0.2
0.3
0.4

3.3 I $_{\textrm B}$-V $_{\textrm B}$特性 およびI $_{\textrm B}$-I $_{\textrm C}$特性測定

1. 抵抗を調節し，$I_B$の読みを0にする．
2. 直流電源$E_C$を調節し，$V_C$の読みを-1[V]一定にして，$I_B$を0から0.05[mA] ずつ上昇させながら0.50[mA]まで変化させ，そのときの$V_B$と$I_C$の読みを記 録する．記録方法は，表3を参考のこと．

表 3: I $_{\textrm B}$-V $_{\textrm B}$特性 およびI $_{\textrm B}$-I $_{\textrm C}$特性

V $_{\textrm C}$[V]	I $_{\textrm B}$[mA]	V $_{\textrm B}$[V]	I $_{\textrm C}$[mA]
	0.00
	0.05
	0.10
	0.15

ホームページ: Yamamoto's laboratory
著者: 山本昌志