- A4のレポート用紙,あるいはA4白紙にパソコンのプリント出力したものを提出すること.
- ホッチキスで左上,1個所をきちんと綴じること.全ての用紙をきちんとそろえること.
- 表紙は学科指定のものを使うこと.表紙は,実験準備室の前にある.あるいは,私のwebページからダウンロードしても使っても良い.MS Wordとpdf,LATEXのスタイルファイルを用意している.
- 各ページの下部(footer)の中央にページ番号をアラビア数字(
)で付けること.表紙にはページ番号を付けないで,次のページが1である.
工学で使われる技術文書には,どれも構造が決まっている.諸君の実験実習のレポートの場合,大体,以下のような構造である.実験内容によっては,多少異なるがこのスタイルで記述すれば,見通しの良い分かりやすいレポートが出来上がる.
- 目的
実験の目的,学習内容を簡潔に記述する.指導書の最初に書いてある.
- 原理・実験方法
原理や実験方法は,指導書のように詳細に書く必要はない.特に,式の変形は不要で,最終的な結果のみを書けばよい.3ページ以内に簡潔にまとめることに心がけよ.実験の目的から,何をどのように測定するかを記述する.また,次節の結果を説明するときに必要な内容を書く.場合によっては,原理と実験方法を別々の節に分けても良い.計測器は,メーカー名と型番を書くこと.
- 結果
測定結果は整理を行い,表やグラフにまとめ,一目でわかるようにする.そして,その結果が示すことを文章で記述する.目的の節で,測定内容の記述があれば,それについては必ず明確に書く.測定データが大量にある場合は,ここでは結果の表やグラフのみを示し,データそのものは付録に書く.
- 考察
この節が最も重要である.まず,理論と結果の比較について述べる.これらの結果が一致していれば,それが妥当なのか否か,検討を行い自分の考えを述べる.一方,これらに乖離が見られるならば,その原因について,検討を行う.検討内容とそこから導かれた推測を述べ,それを確認する方法などを記述する.結果に対して,自分の考えをきちんと論理的に述べる必要がある.また,実験目的に対しての考察が必要な場合もある.
- 考察課題
与えられた課題を自分で調べ,自分の文章で,わかりやすく記述する.
- 感想
実験およびレポート作成を通して,感じたことを書く.
- 付録
文章を読むときの流れの妨げになるが,記録として残す必要があるものを書く.例えば,大量の実験データとか長い式変形,あるいはプログラムなどがそれに当たる.
- 参考文献
レポート作成時に参考とした文献やwebページを書く.記述方法は,見本のレポートを見よ.
これらの,目的や理論,結果などを節と言う.指導書も同じような文書構造をしている.
構造が決まれば,文書の骨格ができた.あとは,これに肉付けをすれば,レポートが出来上がる.その際には,以下のことを守ること.
- 節や小節,小々節には,見本のレポートにように通し番号をつけること.
- 各節では,文章による説明が絶対に必要である.実験結果の節で,グラフや表を書いて,文章が無いレポートが時々ある.このようなものはレポートは言えず,単なるメモである.文章できちんと説明したものがレポートである.
技術的なレポートは,他人が読みやすい簡素な表現が良い.具体的には,以下のことを心がけよ.
- 1文は50文字以内を目安とする.
- 冗長な単語は,削る.
- 受身の文は,避ける.
- 無用な漢字を避ける.
- 箇条書きを上手に使う.
何度も読み直して,修正を施すと,分かりやすいレポートができあがる.レポートを書き上げたら,そのまま提出するのではなく,一度は読み直して,修正することに心がけよ.
グラフはデータを一目でわかるように,図に示したものである.そのため,分かりやすいことに加えて,美しく仕上げなくてはならない.美しく仕上げるためにも,パソコンを使ったグラフ作成を勧める.
大体,以下の注意を守れば,良いグラフができる.
- グラフ全体は,四角の枠線で囲む.枠線は,データが分かりやすく,見た目に美しいサイズにすること.グラフ用紙に書く場合は,外枠いっぱいに使うのは望ましくない.また,x軸とy軸を矢印で示してたグラフは,工学では使わない.
- グラフの左下の値は,(0,0)である必要は無い.適当な値にすること.
- 範囲は,測定点全てを含む必要は無い.グラフが指し示す内容が分かりやすくなるように描くこと.
- 上下,左右の枠線の内側には目盛り線を入れる.グラフ用紙を使った場合でも,目盛り線を描くこと.
- 下と左の枠線の外側にラベルを書く.ラベルは,各軸のデータの意味と単位を記述すること.単位は,括弧で囲むここと.ラベルは,軸に沿って,軸の中心に書く.
- 測定のデータ点は,大きめの点(○や△,◇)で描く.測定には,必ず誤差が含まれる.その誤差程度で書くのが望ましい.
- 式をグラフにするときは点は描かない.式は連続的な値を持つため,線(実線や破線)を使って描く.
- 必要に応じて,グラフ中に説明を書いても良い.複数のデータがある場合は,それぞれのデータが示す内容を分かりやすく書く.グラフ中に図を用いることもできる.また,グラフの一部を拡大して分かりやすることもある.
- 図と同様にグラフにも通し番号をつける.グラフと図は,同じ通し番号をつかう.
- 下側の枠線のx軸のラベルの下に少し隙間を空けて,図番号とグラフの説明(caption)を書く.
表は,データを整理してわかりやすく示すものである.
- 罫線は少なめにする.罫線が多いと,かえって分かりにくくなることがある.行と列の区別が容易にできるようであれば,罫線を省いてもよい.
- 表の行と列の意味が分かるようにラベルを書く.物理量の場合は,単位も含めて書く.
- 表には,通し番号をつける.
- 表の枠の上に,表番号と説明(caption)を書く.
- 2ページにわたっての表はわかりにくいので,できる限り避けること.どうしても避けられない場合は,行と列のラベルは,再度,書き直す.
式は別行にして,中央に書く.そして,右端に通し番号をつる.見本のレポートを見よ.
見本のレポートを見よ.
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Yamamoto's laboratory著者:
山本昌志
Yamamoto Masashi
平成18年4月14日