2 電束密度と磁場の強さ

教科書の最初に電束密度 $ \boldsymbol{D}$と磁場の強さ $ \boldsymbol{H}$の式が書かれている.本講義では 磁束密度 $ \boldsymbol{B}$と電場の強さ $ \boldsymbol{E}$を用いて,電磁場を表してきた.今後もそのつも りである.しかし,諸君が教科書を読むときに混乱しないように,簡単にそれらの関係を述べて おいた方がよいだろう.結論から言うと次の関係がある.

$\displaystyle \boldsymbol{D}$ $\displaystyle =\varepsilon\boldsymbol{E}$ (1)
$\displaystyle \boldsymbol{B}$ $\displaystyle =\mu\boldsymbol{H}$ (2)

ここで, $ \varepsilon$は誘電率,$ \mu$は透磁率を表す.これらの諸量の単位を表 1に示しておく.

透磁率や誘電率は電磁場が存在する媒質の電磁気的な性質を表す量である.これらの意味 については,来週の講義ノートで示す.

表 1: 電磁場を表す量と単位
記号 物理量 単位 SI組み立て単位
$ \boldsymbol{D}$ 電束密度 $ \mathrm{C/m^2}$ $ \mathrm{m^{-2}\cdot s\cdot A}$
$ \boldsymbol{B}$ 磁束密度 $ \mathrm{T}$あるは $ \mathrm{Wb/m^2}$ $ \mathrm{kg\cdot s^{-2}\cdot A^{-1}}$
$ \boldsymbol{H}$ 磁場(の強さ) $ \mathrm{A/m}$ $ \mathrm{A\cdot m^{-1}}$
$ \boldsymbol{E}$ 電場(の強さ) $ \mathrm{V/m}$ $ \mathrm{m\cdot kg\cdot s^{-3}\cdot A^{-1}}$
$ \varepsilon$ 誘電率 $ \mathrm{F/m}$ $ \mathrm{m^{-3}\cdot kg^{-1}\cdot s^{4}\cdot A^{2}}$
$ \mu$ 透磁率 $ \mathrm{H/m}$ $ \mathrm{m\cdot kg\cdot s^{-2}\cdot A^{-2}}$




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著者: 山本昌志
Yamamoto Masashi
平成18年7月6日


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