と同一の境界条件で式(29)と(30)を満たす他のベクトル場があるとする.ここで, がゼロならば,ベクトル場は一意に決まると言える.これらの式を満たすベクトル場は無いと言えるからである.そこで,
(31) |
(32) |
(33) |
これで準備が整った. が考えている空間にわたってゼロであることを証明し たい.そのためには,
与えられた条件で式(36)の右辺を計算して,それがゼロにな ることを確認する.取り合えず,左辺に分かっている条件を入れて計算してみよう.
この定理のなにがうれしいかというと,ベクトル場を記述する微分方程式は,回転と発散 で良いと言うことを示していることである.いろいろな法則は微分方程式で記述しなくて はならないが,ベクトル場の場合は回転と発散の値を決めれば,ベクトル場が決まると言 うことである.境界条件は必要であることは言うまでもない.
(39) |
(40) |
ここで,任意のベクトルが式(38)を満たすことを証明しなくて はならない.