前回はファイル処理のプログラム作成の演習を行った.ファイル処理を行うためには,四
つのことをプログラムに書かなくてはならない;(1)ファイル型のポインターの宣言,(2)
ファイルのオープン,(3)ファイルの読み込み/書き込み動作,(4)ファイルのクローズ.
実際の例を図
1に示す.諸君は,このパターンを絶対に忘
れてはならない.他のプログラミング言語でもファイル操作は,C言語と似たようなパター
ンのものが多い.
図 1:
ファイルへの書き込みとファイルからの読み込みのプログラム例.
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本日は,分割コンパイルについて学習する.大規模なプログラム開発では,ひとつのファ
イルにプログラムを書くことができなくなる.そのとき,複数のファイルに分けてプログ
ラムを記述する.この複数のプログラムから実行ファイルを作成する操作を分
割コンパイルと言う.本日は,この分割コンパイルに必要なテクニックのさわりを学習す
る.今年度末,諸君はある程度長いプログラムを書く.本日,身に付けるテクニックはそ
の時に役立つであろう.
分割コンパイルを使うための最低限のテクニックを身に付けることが本日の学習のゴール
である.具体的には,以下の通り.
- ソースファイルを分割する理由が分かる.そして,ソースファイルを分割するこ
とができる.
- ヘッダーファイルの書き方が分かる.
- 簡単なMakefileが書ける.
教科書 [1]のpp.2-36が本日の範囲である.ただし,
この範囲のうちコンパイル--実際は gccドライバー--の処理については説明をしない.
各自教科書を読むこと.
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Yamamoto's laboratory著者:
山本昌志
Yamamoto Masashi
平成19年5月8日