関数をつくり,使うためには,ソースプログラムを図
3の
ように記述する.必要な記述は,
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- プロトタイプ宣言.関数の入出力の仕様を示す.
- 関数の定義.関数での処理の内容を示す.
- 関数のコール(Call:呼び出し).関数を動作させる.
図 3:
ユーザー定義関数を含んだソースプログラムの書き方
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プロトタイプ宣言はコンパイラー
4に関数の引数の型と個数,それか
ら戻り値の型を知らせる役割がある.これにより,コンパイラーがソースプログラム中で関数の
使い方の間違いをチェックする.これは,プログラマーにとって,非常にありがたい機能である.
プロトタイプ宣言は,図3のように関数の定義より前に記
述しなくてはならない.実際には,コールよりも前に関数の定義を書けば,このプロトタ
イプ宣言を省くことは可能である(教科書 []のリスト
5.3).しかし,それは良くないスタイルとされている.このプロトタイプ記述は簡単で,
関数の定義の先頭部分をコピーして,セミコロンをつければ良い.
プロトタイプ宣言を書くことにより,ソースプログラムを読みやすくなる.現在では,複
数のプログラマーによりひとつのプログラムが作成されるため,読みやすいあるいは分か
り易いプログラムを書くことは重要である.
プロトタイプ宣言をまとめると
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- 書式は,戻り値と関数名,それから引数を順番に書く.
- 関数が正しく記述されているか,コンパイラーが文法をチェックするために使う.
となる.
プログラマーが関数に要求する動作の内容の記述を,ここでは関数の定義と言う.動作と
いっても,(1)引数を受け取り,(2)それを処理して,(3)その結果を呼び出し元へ返す--
という一連の処理の内容をプログラムソースに記述するだけである.
関数の定義をまとめると,次のようになる.
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- メイン関数と同様,処理内容を書けば良い.
- 呼び出し元からのデータ(実引数)を関数の仮引数にコピーすることで,動作に必
要なデータが渡される.
- return文で呼び出し元へ,データを返す.return 式;--と記述す
る.式は,変数だけでも良い.
実際に関数を使う場合,それを使いたい場所で,引数を伴って関数名を書く.関数を使う
動作を「関数のコール」,あるいは「関数の呼出し」と言う.関数をコールは
main関数のみならず,他の関数からも可能である.また,自分自身の関数からも
コールできる(再帰呼び出し).再帰呼び出しについては,2年生で学習する.
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- 関数を呼び出すためには,引数を伴って関数名をコールするだけである.
- どこからでも,何回もコールすることができる.
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Yamamoto's laboratory著者:
山本昌志
Yamamoto Masashi
平成19年5月30日