ヤコビ法では,
の近似値の計算にすべてその前の値
を使
う.大きな行列を扱う場合,全ての
と
を記憶する必要が
あり,大きなメモリーが必要となり問題が生じる [1].今では,
個人で大きなメモリーを使うことは許されるが,ちょっと前まではできるだけメモリーを
節約したプログラムを書かなくてはならなかった.
そこで,
の各成分の計算が終わると,それを直ちに使うことを考えれば,
メモリーは半分で済む.即ち,
を計算するときに,
とするのである.実際の計算では,番目の解は
と計算できる.これが,ガウス・ザイデル法である.
このガウス・ザイデル法は,番目と番目の解を混ぜて使うという,大胆なことをやっ
ているが,研究の結果,収束条件はヤコビ法とほとんど同じと言うことである.ヤコビ法
と比べてどちらが良いかというと
- メモリーの節約を考えた場合,ガウス・ザイデル法に軍配が上がる.
- 計算速度では,ガウス・ザイデル法の方が早いと思われる.
となる.ヤコビ法を使うよりは,ガウス・ザイデル法を使う方が良いであろう.
ホームページ: Yamamoto's laboratory
著者: 山本昌志
Yamamoto Masashi
平成19年11月8日