4 ベクトルとスカラーの乗算

ベクトルとスカラーの乗算も簡単である.スカラー量が正の場合は,方向を変えないでベ クトルの大きさ(これはスカラー)をそのスカラー量倍すればよい(図 6).もし,かけるスカラー量が負の場合は,ベクトルの方 向が逆になる.これは,ベクトルを-1倍すると,その方向が逆になることを示している (図7).ちょうど普通の数(スカラー)を-1倍すると,原点を中心に数 直線上で逆になるのと同じである.

図 6: $ \boldsymbol{C}=\alpha\boldsymbol{A}$
\includegraphics[keepaspectratio, scale=1.0]{figure/C_eq_alpha_times_A.eps}
図 7: $ \boldsymbol{C}=-\boldsymbol{A}$
\includegraphics[keepaspectratio, scale=1.0]{figure/C_eq_minus_A.eps}

ベクトルの-1倍が決められたので,ベクトルの引き算の演算も可能となる.たとえば,

$\displaystyle \boldsymbol{C}=\boldsymbol{A}-\boldsymbol{B}$ (20)

は,ベクトル $ \boldsymbol{A}$とベクトル $ -\boldsymbol{B}$の加算と考えるのである.これは,図 4のようになる.
図 8: $ \boldsymbol{C}=\boldsymbol{A}-\boldsymbol{B}$
\includegraphics[keepaspectratio, scale=1.0]{figure/C_eq_A_minus_B.eps}



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著者: 山本昌志
Yamamoto Masashi
平成19年4月10日


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