2 1変数関数の微分と積分

2.1 微分

普通の滑らかな関数$ f(x)$の微分(導関数)を考える.これは,単純で

$\displaystyle \frac{\mathrm{d}f}{\mathrm{d}x} =\lim_{\Delta x\rightarrow 0}\frac{f(x+\Delta x)-f(x)}{\Delta x}$ (5)

となる.これは,説明するまでもないであろう.関数の変化の差を変化量で割ったものの 極限をとる操作を微分と言う.分母と分子,いずれもゼロに近づくが,分数の値はある一 定の値に近づく.

ベクトルの微分も,ほとんど同じ考えである.後でのべるが,このことをよく理解してお く必要がある.

図 1: 普通の関数の微分
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2.2 積分

つぎに,積分の重要な定理を示しておく.微分したもの--導関数--を積分すると,

$\displaystyle \int_a^b \frac{\mathrm{d}f}{\mathrm{d}x}\mathrm{d}x = f(b)-f(a)$ (6)

となる.なーんだ,当たり前じゃないかと思うだろう.この式は, といっている.図2に示すように,途中の関数がどうであろうと,両 端の値で決まるのである.

諸君は,とっくの昔にこのことは理解しているはずである.それならば,本日の学習内容 のベクトル場やスカラー場の積分もすぐに理解できる.ほとんど同じように考えることが できるからである.

図 2: $ f^\prime(x)$の積分の量は,積分区間の両端の値$ f(a)$$ f(b)$のみに依存 する.途中の値に関係しない.
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著者: 山本昌志
Yamamoto Masashi
平成19年10月10日


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