静電場の問題は,全てクーロンの法則に帰着できる.そのクーロンの法則は,
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- 電荷の間に働く力の大きさは,距離の二乗に反比例す.
- また,電荷の間に働く力の大きさは,電荷量の積に比例する.同じ符号の電荷の
場合斥力となり,異なる符号の場合引力となる.
- 力の方向は,二つの電荷を通る直線方向である.
である.もちろん,この場合でも「作用・反作用の法則」は成り立つ.図
1のように2つの電荷には力が働く.
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が
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におよぼす力は,
となる.
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が
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の位置に電場を作り,その電場が
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に作用を与えたと--
と場の考え方ができる.すると,
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の位置の電場は,
となる.
力は重ね合わせの原理が成り立つので,複数の電荷が作る電場も重ね合わせの原理が成り
立つ.従って,複数の電荷がつくる電場は
となる.電荷が連続に分布すると,
と積分であらわすことができる.ここで,
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は位置
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での電荷密度で
ある.
デルタ関数の助けをかりて,式(
4)から直接,静電場をあらわす以下の
微分方程式を得ることができる.
これらから,ガウスの定理とストークスの定理を用いて,積分方程式
を得ることができる.
ベクトル解析の知識から,連続的に電荷が分布する場合のクーロンの法則は,
と書き換えられる.これから静電ポテンシャル(スカラーポテンシャル)を
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...{r}^\prime)}{\vert\boldsymbol{r}-\boldsymbol{r}^\prime\vert} \mathrm{d}V^\prime$" |
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と定義する.すると,電場は
とあらわすことができる.
電荷
を
から
まで移動させるの必要な仕事
は,
となる.このことから,静電ポテンシャルは電圧と等しいことが分かる.
本日は,先週に引き続き静電場の話をする.先週までに,ガウスの法則の積分形が終わっ
たので,その微分形の話かは進める.本日の講義内容は以下の通りである.
- 静電ポテンシャルとポアッソン方程式
- コンデンサーと静磁場のエネルギー
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Yamamoto's laboratory著者:
山本昌志
Yamamoto Masashi
平成19年7月12日