A. 変分法
計算領域でのポテンシャルをとする.このポテンシャルをパラメーターと
した汎関数
を考える.これから,この汎関数が停留値をとるとき,そのときのはラプラス方程
式を満足することを示す.ラプラス方程式を満足するので,真の解となる.
汎関数が停留値になる条件は,その第一変分がゼロである.式(21)の
凡関数の第一変分は
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(20) |
である.ここでは任意の実数,は領域の境界ではゼロとなる任意の関数で
ある.したがって,汎関数の式(21)の第一変分は,
となる.ここで,次の微分
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(22) |
を使うと,汎関数式(23)は
となる.右辺第一式の積分はゼロとなる.なぜならば,関数は考えてる領域
の境界でゼロとなる関数であるからである.したがって,
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(24) |
である.汎関数の第一変分がゼロとなるためには,
とならなくてはならない.関数は任意の関数であるため,
がゼロの場合のみ積分の値がゼロになる.
がゼロでなくても特定ので積分がゼロになることは
ある.しかし,任意のとなると話は別である.
ここでの結論は,「式(21)の汎関数の第一変分をゼロにすることと,
式(27)の微分方程式と解くことは等価」である.ようするに,式
(27)の微分方程式の解は,式(21)の積分が停
留値--しばしば極小値--になるような関数と同一である.
式(21)の積分は,静電場のエネルギーになっている.境界条件を満た
しつつ,このエネルギーが最低になる状態が実際の状態である.ここでは,この積分が極
小になるを計算することになる.
この静電場も最小エネルギーの問題になっている.しばしば,物理的に安定な状態はエネ
ルギーが最低になる.この静電場の問題もその例の一つである.
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著者: 山本昌志
Yamamoto Masashi
平成19年8月20日