|  | (9) | 
あるいは,それぞれの誘電体中でラプラス方程式
|  | (11) | 
以上のことから,差分法はこのように誘電率が異なる静電場の計算には適さない.
 が求める--ことが静電場の問題となる.ここで重要なことは,被積分関数が1階の
微分になっていることである.後で述べることになるが,1階の微分だと一つの要素の隣
接する4つのポテンシャルから計算できる.
が求める--ことが静電場の問題となる.ここで重要なことは,被積分関数が1階の
微分になっていることである.後で述べることになるが,1階の微分だと一つの要素の隣
接する4つのポテンシャルから計算できる.
汎関数は3次元の積分であるが,これ以降,二次元で話を進める.三次元だと図を書くの が大変だし,式も長くなる.また,二次元であろうが三次元であろうが本質的に同じで, 三次元への拡張も簡単である.
任意の領域で式(12)の積分は,図3正方形メッシュに分割して近似計算できる.
![$ U[\phi]$](img33.png) の値を計算
するのである.積分は要素ごとに行うので,誘電率が変化しても要素内で同一になるよう
にしておけば計算は容易になる.
の値を計算
するのである.積分は要素ごとに行うので,誘電率が変化しても要素内で同一になるよう
にしておけば計算は容易になる.
式(13)の計算は,四角形要素内での積分を行わなくてはならない.ひとつの 四角形要素を図4のようにし,それを4分割して積分を行う.まず1 番目の部分の勾配は
|  | (14) | 
|  | ![$\displaystyle =\frac{\varepsilon_{i+1/2\,j+1/2}}{8}\left[ (\phi_{i+1\,j}-\phi_{i\,j})^2+ (\phi_{i\,j+1}-\phi_{i\,j})^2 \right]$](img37.png) | (15) | 
 番目の
エレメントの積分値が計算できる.
番目の
エレメントの積分値が計算できる.
![\begin{multline}
\int_{\Omega_{ij}}\varepsilon\nabla \phi \cdot\nabla \phi \mat...
...i\,j+1}-\phi_{i\,j})^2+
(\phi_{i+1\,j+1}-\phi_{i+1\,j})^2\right]
\end{multline}](img39.png)
 の積分は,
の積分は,
 を変化させても,汎関数
を変化させても,汎関数![$ U[\phi]$](img51.png) の値が変化しないとき,正しい
ポテンシャル
の値が変化しないとき,正しい
ポテンシャル
 となる.ようするに,境界条件を満たしつつ,静電場のエネルギー
となる.ようするに,境界条件を満たしつつ,静電場のエネルギー
![$ U[\phi]$](img53.png) が停留値--ここでは極小値--をとるポテンシャル
が停留値--ここでは極小値--をとるポテンシャル を探せということである.
を探せということである.
式(17)汎関数が停留値になる条件は,
|  |  |  |  |  |  | (17) | 
 を計
算する.
を計
算する.
 ,
,
 と
と と
と を変化させれば,
すべての式を得ることができる.ただし,境界に接する要素は気をつけなくてはならない.
を変化させれば,
すべての式を得ることができる.ただし,境界に接する要素は気をつけなくてはならない.
 を計算するために,式(17)の
を計算するために,式(17)の
 の周りの4つの要素に関わる項を書き出すと
の周りの4つの要素に関わる項を書き出すと
| ![$\displaystyle U[\phi]$](img68.png) |  | |
| ![$\displaystyle \quad+\frac{\varepsilon_{i-1/2\,j-1/2}}{4}\left[ (\phi_{i\,j-1}-\...
...\,j})^2+(\phi_{i-1\,j}-\phi_{i-1\,j-1})^2+ (\phi_{i\,j}-\phi_{i\,j-1})^2\right]$](img70.png) | ||
| ![$\displaystyle \quad+\frac{\varepsilon_{i+1/2\,j-1/2}}{4}\left[ (\phi_{i+1\,j-1}...
...\,j})^2+(\phi_{i\,j}-\phi_{i\,j-1})^2+ (\phi_{i+1\,j}-\phi_{i+1\,j-1})^2\right]$](img71.png) | ||
|  | ||
| ![$\displaystyle \quad+\frac{\varepsilon_{i-1/2\,j+1/2}}{4}\left[ (\phi_{i\,j}-\ph...
...j+1})^2+(\phi_{i-1\,j+1}-\phi_{i-1\,j})^2+ (\phi_{i\,j+1}-\phi_{i\,j})^2\right]$](img73.png) | ||
| ![$\displaystyle \quad+\frac{\varepsilon_{i+1/2\,j+1/2}}{4}\left[ (\phi_{i+1\,j}-\...
...j+1})^2+(\phi_{i\,j+1}-\phi_{i\,j})^2+ (\phi_{i+1\,j+1}-\phi_{i+1\,j})^2\right]$](img74.png) | ||
|  | (18) | 
 ,
,
 とする
ことにより連立方程式となっていることが理解できるだろう.境界条件としてポテンシャルの
値が与えれれているところをのぞいて,この連立方程式を解けばよい.
とする
ことにより連立方程式となっていることが理解できるだろう.境界条件としてポテンシャルの
値が与えれれているところをのぞいて,この連立方程式を解けばよい.
領域の境界でポテンシャルが与えられていない場合,その場所では電場が境界と垂直にな る3.これは,式(25)から保証される.
連立方程式(20)を見ると,ほとんど差分の式と同じである.もし,誘 電率が一定とすると差分の式と全く同一になる.