マックスウェルの方程式は、電場と磁場の1階の連立微分方程式である。それは、ベクト ル場の発散と回転で記述されている。しかし、実際の問題を解く場合、電場と磁場の両方 を計算するのは面倒である。そのため、電場と磁場を分離して、2階の方程式に直して、 どちらか一方を計算することが多い。その2階の方程式を記述するために、ラプラス演算 子が現れる。
カーテシアン座標系の場合、ラプラス演算子は単純な形をしており、なにも問題はない。 しかし、曲線座標系を使う場合は、少々複雑な形をしている。ここでは、この少々複雑な 形のラプラス演算子を導くことにする。カーテシアン座標系と円柱座標系、極座標系につ いて、演算子の形を求める。
ラプラス演算子は、その作用する対象に応じて、2種類ある。一方は、スカラー量に作用
するスカラーラプラス演算子で、スカラー量に作用して、スカラー量を作る。他方はベク
トルラプラス演算子で、ベクトル量に作用し、ベクトルを作る。いずれも、2階の微分演
算子である。