しかし,境界条件を工夫し対称性を利用して計算領域を半分にすることができる. TMモードの電磁場の概念図を図4にしめす.
TMモードの特徴としては,左右対称の電磁場分布になっていて,その中 心では磁場が0になっていることである. この対称性を利用して,計算領域を半分にすることができる. では,これを計算するためのファイルを以下に示す.Pill Box $reg kprob=1, dx=2.0, kprob=1, xdri=1.0, ydri=99.0, nbsup=1, nbslo=0, nbslf=1, nbsrt=0, freq=100.0, kmethod=1, beta=1.000000$ $po x=0.0, y=0.0 $ $po x=0.0, y=100.0 $ $po x=50.0, y=100.0 $ $po x=50.0, y=0.0 $ $po x=0.0, y=0.0 $
この計算結果を図5に示す.
計算領域が半分になっているのがわかる.では,このファイルのなかの境界条件 の設計に関する部分を説明する.
境界条件を設定しているのは,4行目のnbsup=1, nbslo=0, nbslf=1, nbsrt=0の部分である.nbsupが上側,nbsloが下側, nbslfが左側,nbsrtが右側の境界条件を決めていて, 1がエリクトリックショート,0がマグネティックショートを表している. エリクトリックショートとはノイマン条件ともよばれ,電場が境界にたいして垂 直になるときに使う条件である.いま,左側の壁と上側の壁は金属であるので, 境界条件はエリクトリックショートである. また,マグネティックショートとはディレクレ条件とも呼ばれ,磁場が0になる ところでの境界に用いる.いま,下側の境界は軸上になっていてこの部分には TMモードでは磁場が立たないのでマグネティックショートである. また,左側は磁場が0であるという条件を課したいので, ここもマグネティックショートである.