ブラジルに住んでいた 5 − 6 歳の頃です.夏の暑い日,僕と弟は畑の横の坂道を裸足で歩いていました.もちろん,舗装道路ではありません.轍ができており,そこは黄土色です.道の真ん中は草が生えています.土の部分の轍は熱いので,真ん中の草の上を歩きます.太陽が照りつける青空,横はスイカ畑です.足の裏の感覚とこの風景を,妙に憶えています.
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氷の思い出
私は6歳まで,ブラジルで育ちました.緯度で言うと,南回帰線のあたりです.北回帰線は北アフリカや中東,インド,台湾,メキシコを通ります.なんとなくイメージが湧くでしょう.といっても,暑いわけではなく,真夏の1月の平均気温は22度で,最高気温は26度です.真冬の7月の平均気温は15度で,最低気温は9度です.暑くも,寒くもなく,過ごしやすい場所です.
冬も温暖なので,雪が降ることはなく,氷も張りません.
ある朝,布団で寝ていると父親が砂糖をつけた薄い氷を食べさせてくれたことを鮮明に憶えています.大変珍しいことですが,氷が張るまで気温が下がったのでしょう.
昔住んでいたところ (幼い頃)
久しぶりに実家に帰って,両親と昔の話をすることができました.その時,ブラジルでの住んでいた場所の話になりました.私はどこに住んでいたか知らなかったのですが,大体の場所が把握出来ました.忘れないように,メモします.ピラル ド・スー (Pilar do Sul) とサン・ミゲウ アルカンジョ (Sao Miguel Arcanjo) の中間地点で,ちょっとサン・ミゲウ アルカンジョよりの山の方とのこと.
昔の思い出 (6歳頃:ブラジルの蝶々)
ブラジルに住んでいた時,隣の家 – 2km はゆうに離れている –
の5歳くらいの子供が蝶の標本を作っているのを見た.その時,私も同じくらいの年齢だが,妙に感動した記憶がある.標本といっても,そこらにある板に,捕まえた蝶々を釘で打ち付けただけのものである.普通に考えるとみすぼらしい標本だろうが,蝶々がとても美しく,なにか別世界のものを見ているような感じがした.羽が青や緑に光っている.電気も通っていない田舎に住んでいたので,光るものなんか見たことがなかったから,感動したのかもしれない.原始人がレーザーや青色LEDを見たような感じと言えば分かるだろう.
その後,標本を作るわけではないが,ときどき蝶々を捕まえた.網なんか持っていないからざるで捕まえ,それを地面に逆さまにして活かしておく.ざるの中の小さなな美しい蝶々を今でもよく覚えている.
たぶん南米では一般的だろうが,ブラジルの蝶々はとても美しい.ピカピカ光った羽で飛び回っている.日本の蝶々はとても地味に見える.日本でとても上手に作られた蝶々の標本をいくつか見たが,あの時見た標本ほど美しい物を見たことがない.遠い昔の記憶である.もう一度,ブラジルに行って蝶々を捕まえたい — と考えている.