Yamamoto's Laboratory
 
フォント
 
 
 

LaTeX のフォントの取り扱い

デフォルトの設定で使うならば,ここで示す知識は不要です.LaTeX のデフォルトの設定は良くできており,十分美しい文書に仕上がります.

予めインストールされているフォント

TeX Live 2015 では,埋め込み用にいろいろなフォントが配布パッケージに含まれます.たとえば,ipa フォントは「/usr/local/texlive/2015/texmf-dist/fonts/truetype/public/ipaex」に,マップファイルは「/usr/local/texlive/2015/texmf-dist/fonts/map/dvipdfmx/jfontmaps/ipa」にあります.マップファイルの「ptex-ipa.map」を指定すれば,dvipdfmx で ipa フォントが埋め込まれた pdf を作成することができます.

$ dvipdfmx -f ptex-ipa.map ファイル名(*.dvi)

フォントのインストール

インストール先

フォントをインストールディレクトリーは,コマンド「kpsewhich -show-path="truetype fonts"」で表示される複数のパスのいずれかです.私の TeX Live 2015 では次の通りです.

$ kpsewhich -show-path="truetype fonts"
.:/home/yamamoto/.texlive2015/texmf-config/fonts/truetype//:/home/yamamoto/.texlive2015/texmf-var/fonts/truetype//:/home/yamamoto/texmf/fonts/truetype//:!!/usr/local/texlive/2015/texmf-config/fonts/truetype//:!!/usr/local/texlive/2015/texmf-var/fonts/truetype//:!!/usr/local/texlive/texmf-local/fonts/truetype//:!!/usr/local/texlive/2015/texmf-dist/fonts/truetype//:/home/yamamoto/.texlive2015/texmf-config/fonts/opentype//:/home/yamamoto/.texlive2015/texmf-var/fonts/opentype//:/home/yamamoto/texmf/fonts/opentype//:!!/usr/local/texlive/2015/texmf-config/fonts/opentype//:!!/usr/local/texlive/2015/texmf-var/fonts/opentype//:!!/usr/local/texlive/texmf-local/fonts/opentype//:!!/usr/local/texlive/2015/texmf-dist/fonts/opentype//:/please/set/osfontdir/in/the/environment//

パスの区切りはコロン「:」です.先頭に二重感嘆符(びっくりマーク)「!!」があるパスは,検索対象外です.ただし,後で述べる方法で検索対象に加えることが可能です.パスの最後が二重スラッシュ「//」は再帰的に検索しますので,サブディレクトリーを作ることができます.

IPAフォント

IPAフォントは,情報処理推進機構(IPA)が開発した日本語の TrueType フォントです.IPAフォントは,商用利用も可能なフリーのフォントであり,TeX Live 2015 では予めインストールされているため,すぐに使うことができます.

TeX Live に含まれていない IPA フォントを追加する場合は,TeX が検索できる texmf ツリーに TrueType フォントを置きます.ここでは,ユーザー用の「~/texmf/fonts/truetype/IPA」に入れる例を示します.

  1. IPA フォントを格納するディレクトリーを作成します.
    $ mkdir -p ~/texmf/fonts/truetype/IPA
  2. IPAフォント Ver.003.03 の TTF ファイルから,4書体パック「IPAfont00303.zip」をダウンロードします.
  3. ダウンロードした zip ファイルを解凍し,TrueType フォントをコピーします.
    $ unzip IPAfont00303.zip
    $ cp IPAfont00303/*.ttf ~/texmf/fonts/truetype/IPA/
  4. フォントが TeX から見えるか確認します.
    $ kpsewhich ipam.ttf
    /home/yamamoto/texmf/fonts/truetype/IPA/ipam.ttf
    同じように「ipag.ttf」も見つかれば,インストールできています.

「/usr/local/texlive/texmf-local」など,先頭に「!!」が付くパスへインストールした場合は,フォントをコピーした後に「sudo mktexlsr」を実行してファイル名データベースを更新します.OS のフォントとして使う場合は,公式の「インストール方法」に従います.

フォントを指定した pdf ファイルの作成

pLaTeX で作成した DVI ファイルから PDF を作るときは,dvipdfmx にマップファイルを指定すると,埋め込む日本語フォントを切り替えることができます.本文中で使っている標準の明朝体・ゴシック体を,PDF 作成時に別のフォントへ対応させる,という考え方です.

  1. まず,通常通り LaTeX ソースを DVI ファイルに変換します.
    $ platex sample.tex
  2. 次に,使用したいフォントのマップファイルを -f オプションで指定して PDF を作成します.IPA フォントを使う場合は,次のように ptex-ipa.map を指定します.
    $ dvipdfmx -f ptex-ipa.map sample.dvi

この方法では,LaTeX のソースファイルを変更せずに,PDF に埋め込むフォントだけを変更できます.たとえば ptex-ipa.map を指定すると,標準の日本語フォント名が IPA 系フォントへ対応づけられます.別のフォントを使いたい場合は,そのフォントに対応したマップファイルを用意し,同じように -f オプションで指定します.

作成した PDF にフォントが埋め込まれているかは,pdffonts で確認できます.フォント名の行で emb が yes になっていれば,そのフォントは PDF に埋め込まれています.

$ pdffonts sample.pdf

毎回同じフォントを使うなら,TeX の設定で既定のマップファイルを変更する方法もあります.ただし,文書ごとにフォントを切り替える場合は,ここで示したように dvipdfmx の実行時にマップファイルを指定する方法が分かりやすく,影響範囲も限定できます.

ページ作成情報

参考資料

  1. 奥村晴彦さんの「改訂第3版 LaTeX2ε美文書作成入門」(p.293)には,更新が面倒ならば,ファイルls-Rを削除しても問題ないと書かかれている.更新が面倒な人は,試してみてはいかがでしょうか.

更新履歴

2026年05月15日 IPAフォントのインストール方法とフォントを指定した pdf ファイルの作成方法を追記
2016年01月28日 ページの新規作成


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