効率的とはどのようなことを言うのだろうか?。今までの学習では、論理式が 単純であれば、ORとAND、NOTゲートが少ないので効率的と言ってきた。ほぼこ の表現は正しいが、完全ではない。実際の回路では、トランジスターの数の少 ない回路が効率的である。トランジスターの数を考えなくてはならない。そこ で、今までよりも現実的な電気回路をここでは考えることにする。
図中のDとG, Sの記号で書かれている部分がFETである。FETにも3本の線があり、 それぞれドレイン(Drain)、ゲート(Gate)、ソース(Soure)と呼ばれている。 ゲート〜ソース間の電圧により、ドレイン〜ソース間の電流を制御する。
この回路が、どのようにNOTゲートとして働くか説明する。まず、入力が5V の場合(入力が1に対応)、図3.1のように回路は動作する。ゲー ト〜ソース間に電圧が加わるので、ドレイン〜ソース間に電流が流れる。要す るに、ゲートに電圧を加えると、ドレイン〜ソース間が閉(スイッチON)の状態 になるのである。ドレイン〜ソース間の電圧降下は小さいので、その出力は0V と考えられる3。
次に、入力が0Vの場合(入力が0に対応)、図3.1のように回路 は動作する。ゲート〜ソース間に電圧が無いので、ドレイン〜ソースは、非常 に大きな抵抗になっている。ゲートに電圧が加わっていないときは、ドレイン〜 ソース間が開(スイッチOFF)の状態になるのである。したがって、抵抗には電 流が流れないので、そこでの電圧降下はゼロである。したがって、出力は5Vと なる。
これからわかるように、図6の回路は入力に対して、出力は 反転した回路である。したがって、NOTゲートの電気回路である。
NORの回路とORの回路を比べると、トランジスターの数はNORの回路の方が少な い。従って、NORの回路の方が効率が良いわけである。ということで、トラン ジスターの特性上、ORゲートよりもNORゲートのほうが作りやすいのである。
これもやはり、ANDゲートよりもNANDゲートのほうが作りやすいのである。 NANDゲートの方が構成するトランジスターの数が少ないのである。