具体的な問題を考えることにする。たとえば、次のようなデジタル回路を作成
することを考える。
- 図1に示すように、入力は3点、出力は1点である。
- 入力、出力とも電圧は0または5[V]のいずれかである。要するによく普
通にあるデジタル回路である。
- 入力に対して、出力が一意にきまる。入力の組合わせで出力が決まる
ので、このような回路を組合せ回路と言う。
- 入出力の関係は、表1のとおりである。1
つの入力線に対して、0と5[V]の2通りの組み合わせがあり、それが3本
あるので、入力の組み合わせは8通りである。そのすべての応答を書い
たものがこの表である。
このように、実際の装置の内容、ここでは電気回路の細かい構造(素子と配線)
を気にしないで、入力と出力、場合によっては応答を考える手法をブラックボッ
クスと言う。
|
図:
回路の応答を表現
入力[V] |
出力[V] |
A |
B |
C |
Z |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
5 |
5 |
0 |
5 |
0 |
5 |
0 |
5 |
5 |
5 |
5 |
0 |
0 |
0 |
5 |
0 |
5 |
0 |
5 |
5 |
0 |
5 |
5 |
5 |
5 |
0 |
|
|
技術者は、最終的にこのように動作する電気回路を設計しなくてはならない。
では、表1のような応答をする回路をどのように
表現すれば良いのだろうか?。もちろん、表1のよ
うに表現しても、なんら問題ないが、不便な場合がある。場合によっては、違
う表現が必要なこともある。同じ内容であるが、異なった表現として、以下の
表現を学習してきた。
- 真理値表
- 回路の応答を直接記述できるので便利である。
- 論理式
- 回路を数学で記述する場合に便利である。数学で記述す
るので、その約束に従い計算することで、いろいろな等価な回路
が間単に得られる。あるいは、真理値表からMIL記号への橋渡し
の役目を担う。
- MIL記号
- 実際の電気回路に1対1に対応している。したがって、実際の電
気回路に直す場合、便利である。
本日の授業では、これら表現は異なるが、すべて内容は全く同じであることを
学習する。
ホームページ: Yamamoto's laboratory
著者: 山本昌志
Yamamoto Masashi
平成19年8月20日