2 演算とは

2.1 コンピューターでの演算

コンピューターの仕事は、データの加工です。与えられたデータを、目的のデー タに加工します。例えば、 等です。どのような場合でも、図1のように なっている。この入出力データのことを情報と言い、それをプログラムの命令 により処理を行い、出力データを作る。情報処理とはこのようなことを言う。
図 1: 情報処理
\includegraphics[keepaspectratio, scale=1.0]{figure/input_processing_output.eps}

コンピューターの内部、とくにデータの処理を行うCPUでは、入力と出力のデー タはビット列である。CPUでは命令に従い、ビット列の操作を行っている。こ のビット列を操作する処理のことを演算といい、プログラムでは演算命令がそ れを行う。

数学でも演算と言う言葉を使うが、その内容は非常に似ている。例えば、数学 との対比では、

のように考えられる。
ポイント
コンピューターは、入力データのビット列から出力ビット列を作る処理を行っ ている。そのビット列の変換の処理を演算と言う。

2.2 CASL IIの演算

先ほど述べたように、演算命令により、データのビットパターンを変化させる。 変化させるデータは、 である。残りのプログラムレジスター(PR)とスタックポインター (SP)は演算命令により変化はしない。

CASL IIで用意されている演算は、

である2。たったこ れだけで、あらゆるデータ処理を行うのである。命令の動作については、今後、 学習する。諸君は、数学的な準備は出来ているので、これらがそんなに難しく 思う必要が無い。例えば、$ +$と言う数学の記号の代わりに、ADDAと書く ことを覚えればよい。

2.3 整数演算

算術・論理演算命令は、整数の演算とブール代数の演算がある。それぞれは、 と分けることができる。整数の演算のくせに、論理加算・減算というのも変な 気がするが、仕様ではそうなっている。

本日は、算術加算・減算の演算を学習する。算術加算・減算と論理加算・減算 の違いは、前者は処理する16ビットのデータを符号有り整数、後者は符号無し 整数として取り扱うことである。



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著者: 山本昌志
Yamamoto Masashi
平成16年9月7日


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