使用頻度の多いUNIXコマンドを以下に示す。これらのコマンドは、すべてターミナルから
打ち込み、コンピューターに命令を与える。他に、ファイルマネージャーもあるので、組
み合わせて使って欲しい。
表 1:
UNIXでよく使われるコマンド。下の3つは、正確にはコマンドではないが、便
利な機能であるので載せておく。
コマンド |
機能 |
man |
コマンドのオンラインマニュアル |
pwd |
現ディレクトリーの表示 |
ls |
ファイルとディレクトリーの表示 |
cd |
ワーキングディレクトリーの移動 |
mkdir |
ディレクトリーの作成 |
rmdir |
ディレクトリーの削除 |
cp |
ファイルやディレクトリーの複製 |
mv |
ファイルやディレクトリーの名前の変更や移動 |
rm |
ファイルの削除 |
cat |
ファイルの表示や連結 |
less |
ファイルの内容を一画面単位で出力 |
又は
|
history 以前のコマンドの表示 編集可能 |
[Ctrl]+c |
プロセスの強制終了 |
[Tab] |
補完機能 |
これから、コマンドの動作について記述するが、
形式あるいは
機能・
形式のところのカギ括弧
[ ]]内は省略可能を示している。これはオプションなので、
必要なときにカギ括弧内のそれを使えば良い。
指定されたコマンドのオンラインマニュアルを一画面分ずつ表示する。
コマンド |
man |
語源 |
manual |
形式 |
man commandname |
注意 |
次の頁を見るときには f キーを、前の頁を見るときには b キーを押
す。表示をやめるときには、q キーを押す。 |
自分が、今どこにいるか調べるコマンドである。
コマンド |
pwd |
語源 |
print working
directory |
機能 |
現在のワーキングディレクトリ(カレントディレクトリ)を絶対パス
名で表示する。 |
|
|
自分が、今いるディレクトリーの中にあるファイルやディレクトリーを調べるときに使う
コマンドである。
コマンド |
ls |
語源 |
list |
機能 |
現在のワーキングディレクトリのファイルやディレクトリーの情報を
表示する。 |
形式 |
ls [-adFgilostux] [filename] |
オプション |
|
なし |
ファイル名のみ並べて出力する。 |
-a |
.(ドット)で始まる隠しファイルも含めて、すべて出
力する。 |
-l |
ファイルの詳細管理情報をロング形式で出力する。 |
-d |
filenameがディレクトリの時、その名前のみ表示する。 |
-F |
ファイルの種類を記号で表示する。 |
|
記号の意味 |
|
表示なし |
プレーンなデータファイル |
/ |
ディレクトリファイル |
* |
実行可能ファイル |
|
-I |
inode番号を表示する。 |
-R |
ディレクトリの階層構造を表示する。 |
-s |
ファイルのサイズをプロック単位で表示する。 |
-t |
最終更新時刻の新しいものから順に表示する。 |
-u |
lオプションとの併用時、最終更新時刻の代わりに最終
アクセス時刻を表示する。 |
-o |
lオプションと同じだが、グループ名を
表示しない。 |
-x |
ファイル名を横に並べて出力する。 |
今いるディレクトリーから他のディレクトリーに移るときに使うコマンドである。
コマンド |
cd |
語源 |
change directory |
機能・形式 |
指定されたディレクトリーに移動 |
|
cd directory |
|
ログインでレクトリーに移動 |
|
cd |
|
親ディレクトリーに移動 |
|
cd .. |
ディレクトリを作成する。ディレクトリ自身を表す「
.」と、親ディレクトリを表
す「
..」の2つが、自動的に作成される。
コマンド |
mkdir |
語源 |
make dirirectory |
形式 |
mkdir directory 指定されたディレクトリーを作
成 |
ディレクトリを削除する。
コマンド |
rmdir |
語源 |
rmove directory |
形式 |
rmdir directory |
注意 |
削除するディレクトリは空でなければならない。ディレクトリ配下に
ファイルがある場合、配下のファイルごと削除するにはrmコマンドを使う。いず
れの場合もmkdirコマンド同様、親ディレクトリに書き込み権が必要。 |
ファイルやディレクトリーのコピーを作成したい場合に使う。
コマンド |
cp |
語源 |
copy |
機能・形式 |
filename1 を filename2 という名前でコピーを作成する。 |
|
cp [-ip] filename1 filename2 |
|
directory2 の配下に directory1 をサブディレクトリとして、配下の
ファイルごとコピーする。 |
|
cp -r[-ip] directory1 directory2 |
|
各filename(サブディレクトリ指定可)を、最後に指定した directory配下にコピーする。 |
|
cp -r[-ipr] filename directory |
オプション |
|
-I |
コピー先ファイルが既存の場合、置き換えを行うかど
うか確認してくる。(置き換える場合=y 、置き換えない場合=nと入力する) |
-p |
内容だけでなく、最終修正時刻・アクセス許可もコピーする。 |
-r |
ディレクトリ配下のファイルごとコピーする。(ファイルがサブディレクトリの場合は、その配下のファイルごとコピーする。) |
ディレクトリーやファイルを移動させるときに使う。また、名前を変えるときにも使う。
コマンド |
mv |
語源 |
move |
機能・形式 |
filename1をfilename2に名前を変える。 |
|
mv [-i] filename1 filename2 |
|
directory1をdirectory2に名前を変える。directory2が既存の場
合、directory2の配下にdirectory1を移動する。 |
|
mv [-i] directory1 directory2 |
|
各filename(サブディレクトリ指定可)を、最後に指定したdirectory
配下に移動する。 |
|
mv [-i] filename directory |
オプション |
|
-i |
移動先ファイルが既存の場合、置き換えを行うかどう
か確認してくる。置き換える場合=y、置き換えない場合=nと入力する。 |
ファイルを削除するときに使う。また、オプションを付けて、ディレクトリーごと削除す
ることもできる。
コマンド |
rm |
語源 |
re move |
機能・形式 |
ディレクトリから各filenameを削除する。 |
|
rm [-i] filename1 |
|
directory配下のファイルから順に削除していき、directory自身も削除
する。 |
オプション |
|
|
rm -r[i]directory |
-i |
削除していいかどうか確認のメッセージを出す。削除
する場合=y、削除しない場合=nと入力する。 |
-r |
directory配下のファイルを削除し、directory自身も削除する。 |
-f |
ファイルを強制的に削除する。 |
ファイルの連結と表示を行う。指定したファイルを順次読み取り、標準出力に出力する。
この機能を利用して、複数ファイルの結合(concatenate 鎖状につなぐ)を行うことがで
きる。次の例は、
file1と
file2を結合して、
file3を作る。
cat file1 file2 > file3
>はリダイレクトと呼ばれる機能である。
コマンド |
cat |
語源 |
concatenate |
形式 |
cat [filename] |
注意 |
cat file1 file2 > file1 および cat file1 file2 >
file2 は、まず出力領域を確保しようとするために、読み取り前に入力データが破壊
されてしまうので要注意。また、catではデータの出力は画面単位ではない。一画
面分以上の大きさのファイルを表示しようとすると先頭部分はスクロールして見えなく
なってしまう。その場合はlessコマンドを使用する。 |
ファイルの内容を見るときに使う。
コマンド |
less |
語源 |
less |
形式 |
less filename |
注意 |
次の頁を見るときには f キーを、前の頁を見るときには b キーを押
す。表示をやめるときには、q キーを押す。 |
前に入力したコマンドを確認したり、取り出して再実行、編集して実行する。キーを叩く
回数が減り、タイプミスを減らせるので、かなり便利である。というか、ほとんどの場合、
これを使うことで済むので、作業が軽減される。
使用方法 |
と
|
ターミナルで実行したプロセスを強制的に終了させる。プログラムが、暴走したときに使
う。
使用方法 |
[Ctrl]+c |
注意 |
[Ctrl] キーを押したまま、c キーを押す。 |
補完機能は、最初の何文字かを入力して
[Tab
]キーを押すと、自動的にディレ
クトリ名やファイル名、あるいはコマンドを表示してくれる機能である。キーを叩く回数
が減り、タイプミスを減らすことができる。
ホームページ:
Yamamoto's laboratory著者:
山本昌志
yamamoto masashi
平成17年5月14日