コンピューターは情報(データ)を加工する機械である.コンピューターで取り扱う情報は, 全てコード化されて,整数で表現される.数値あろうが文字であろうが,音や絵さえも整 数で表されるのである.整数で表すことができたら,2進数での取り扱いが可能となり, 論理回路で処理できるようになる.データを整数で表すことは,コンピューターを用いて の情報処理の第一歩となる.
整数にコード化された情報を処理するためには,その整数を記憶し,計算する必要があ る.記憶する役目を担っている装置がメモリーで,計算する役目を担っている装置がCPU である.ここでは,情報を整数にコード化して,それがメモリーに格納される様子を学習 する.
整数をコード化して,コンピューター(COMET II)のメモリーに格納する方法は,先週まで に学習した.例えば,図1のようにである.これを見れば,整数 がコード化されて,それがメモリーに格納されることが分かるだろう.
この図を見て分かるように,COMET IIのメモリーの中では,符号無し整数の
と符号付き整数の
は,メモリーの内容は全く同じである.したがって,
COMET IIでは,それら2つの値は全く区別できず,同じ値となってしまうのである.これ
らの情報にはとても大きな違いがあり,これでは使い物にならない.コンピューターその
ものは,アホでこれらの区別はできないが,実際のところプログラムがこれらを区別して
いるのである.これらの値を処理するプログラムでは,符号の有無に区別して計算するの
である.もちろん,この区別はプログラマー(人間)が決めなくてはならない.アホなプロ
グラマーがアホなプログラムを書くと,アホなコンピューターはアホな処理しかしないの
である.