A.1 一階線型常微分方程式
回路の動作を表す1階の微分方程式は、
のような一階線型同次常微分方程式がしばしば現れる。
![$ Q(x)=0$](img310.png)
の場合を同次、
![$ Q(x)\ne 0$](img311.png)
の場合を非同次と言う。
非同次の場合は変数分離形なので、それは簡単に一般解が求められる。この場合、一般解
は
![$\displaystyle y=c_1e^{-\int P(x)dx}$](img312.png) |
(A.2) |
である。ここで、
![$ c_1$](img62.png)
は任意定数である。
非同次の場合は少し難しくなり、いろいろな方法がある(たとえば、 [1]
に見よ)。ここでは、式(A.1)の両辺に適当な関数
を乗じ
て、変数分離形にする。そうすると、左辺は
となる。この
左辺が
となれば、変数分離形となり容易に計算できる。このように
変数分離形になるためには、
![$\displaystyle \varphi^\prime=P\varphi$](img316.png) |
(A.3) |
であればよい。これはちょうど変数分離形になっており、
である。この関数を元の微分方程式の両辺に乗じることになるので、積分定数は省いてい
る。
変数分離形にするために、式(A.4)を
式(A.1)の両辺に乗じると
![$\displaystyle y^\prime \varphi(x)+\varphi(x) P(x)y=Q(x)\varphi(x)$](img318.png) |
(A.5) |
となる。先に示したように
![$ \varphi(x) P(x)=\varphi^\prime (x)$](img319.png)
なので、
![$\displaystyle \left[y\varphi(x)\right]^\prime=Q(x)\varphi(x)$](img320.png) |
(A.6) |
である。これもまた、変数分離形なので、積分は簡単である。積分の後、整理すると、
![$\displaystyle y=\frac{1}{\varphi(x)}\left[\int Q(x)\varphi(x)dx+c_1\right]$](img321.png) |
(A.7) |
となる。したがって、元の微分方程式(
A.1)の一般解は
![$\displaystyle y=e^{-\int P(x)dx}\left[\int Q(x)e^{\int P(x)dx}dx+c_1\right]$](img322.png) |
(A.8) |
である。
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Yamamoto's laboratory著者:
山本昌志
Yamamoto Masashi
平成17年5月13日