ここでは,実験ボードのCR発振器の特性を測定する.そのために,以下の機材を用意する.
表 1:
発振回路の実験に使う機器
装置 |
メーカー |
型番 |
仕様 |
台数 |
CR発振器実験パネル |
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1 |
直流電源 |
KENWOOD |
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DC 24[V]以上 |
1 |
オシロスコープ |
KENWOOD |
CS-5270 |
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1 |
デジタルマルチメーター |
YEW |
Type 2807 |
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2 |
ファンクションジェネレーター |
KENWOOD |
FG-273 |
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1 |
ここでは,実験回路であるCR発振器の発振周波数を増幅度を測定する.CR発振器の出力と周波数が既知であるファンクションジェネレーターの出力を比較することにより,発振周波数を求める.また,増幅度はトランジスターのベースとエミッタ電圧の測定から求める.実験の手順は,以下のとおりである.
- 図5に示すように,実験回路の配線を行う.
なお,実験パネルには,2つの発振回路が組み込まれている.実験に用いるの
は,端子P5とP6を接続したときに発振器として作用する方である.
- 直流電源の電圧を24[V]に設定し,CR発振器に印加する.
- オシロスコープで発振出力(TB08-TB04間)波形を観測する.
- ファンクションジェネレーターから正弦波を出力し,それをオシロスコープのX軸に接続する.そして,オシロスコープをXYモードにして,リサジュー図形から発振周波数を求める.
- 結果を表2のようにまとめる.
- 図6に示すように,実験回路の配線を行う.
- 直流電源の電圧を24[V]に設定し,CR発振器に印加する.
- オシロスコープでトランジスタのベースとエミッタ電圧を測定する.ベース電圧が増幅器の入力電圧,エミッタ電圧が出力電圧となる.電圧は,PV(peak to vally)値1とする.
- 結果を表2のようにまとめる.
表 2:
発振周波数と増幅度
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発振周波数
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入力電圧 |
出力電圧 |
増幅度 |
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実測値 |
計算値 |
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実験に用いる回路は,3段の位相回路となっている.各段の位相を測定する.
- 実験パネルにの24[V]を印加し,発振させる.
- TB08の出力をオシロスコープのX軸に,R18の両端の電圧をY軸に接続し,リサジュー
の図形を描かせる.
- 図7に示すリサジューの図形から,位相差を次式により算
出する.
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実線の場合(右上がり) |
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(20) |
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破線の場合(右下がり) |
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(21) |
- 同様に,TB08の出力波形とR19の両端の波形の位相差,TB08の出力波形とTR02のベー
スの波形の位相差を求め,記録する.
- 結果は,表3のようにまとめる.
表 3:
位相差の測定
測定方法 |
位相差 [deg] |
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R18 |
R19 |
TR02のベース |
リサジュー図形 |
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時間軸 |
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リサジュー図形を用いないで,オシロスコープの時間軸を使って位相測定を行う.前回と
同じところを測定する.
- 実験パネルにの24[V]を印加し,発振させる.
- TB08の出力をオシロスコープのCH1に,R18の両端の電圧をCH2に接続し,時間軸を
調整して,図8のような波形を観測する.これから,直に位相
差を測定する.
- 同様に,TB08の出力波形とR19の両端の波形の位相差,TB08の出力波形とTR02のベー
スの波形の位相差を求め,記録する.
- 結果は,表3のようにまとめる.
発振回路の増幅器の特性を測定する.
- 図9の通りに接続する.
- 実験パネルにの24[V]を印加する..
- 外部の発振器(ファンクションジェネレーター)の出力電圧を徐々に増加させ,そ
のときのトランジスターのベース電圧(入力電圧:)に対するTB08-TB04間の電
圧(出力電圧:)を読み,記録する.
- 結果を表3のようにまとめ,グラフを作成する.
[注意]考察課題で入出力波形の観測についての記述が求められている.注意して,実験を
行うこと.
表 4:
増幅率の測定
入力電圧 |
出力電圧 |
増幅度 |
[V] |
[V] |
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ホームページ:
Yamamoto's laboratory著者:
山本昌志
Yamamoto Masashi
平成17年10月21日