諸君が使う方眼紙は,普通の方眼紙(名前??),型対数方眼紙,両対数方眼紙が主である.
これらをデータに応じて使い分ける必要がある.まず,これらの方眼紙の特徴を述べる.
これは,もっともおなじみの,x軸とy軸ともリニアーになっているものである.説明する
までもなく,よく知っているだろう.これはグラフ上の基準点からの距離(
)に,デー
タ
を
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(1) |
のようにプロットする.
と
はグラフのスケールを決める定数,
と
はオフセットである.難しいことを言わなくても,x軸とy軸の交点(基準点)を
として,等間隔に目盛りを付けていると言うだけのことである.
したがって,x軸とy軸ともリニアーになっている方眼紙では,の一次関数が
のように,グラフ用紙で直線になる.なぜならば,
に依存しないで,傾きが一定となっ
ているからである.このグラフの傾き
と,スケールの比
から,デー
タの1次関数の係数
が分かるのである.
この方眼紙の軸は,ちょっと変わっていて,片方はリニアーで,もう一方は対数軸がであ
る.横軸,縦軸のいずれも対数軸にすることができるが,ここでは話を簡単にするために,縦軸を対
数軸とする.そうすると,横軸はリニアー軸になる.先ほどと同様にグラフ上の基準点か
らの距離を
とする.この場合は,
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(3) |
となる.
と
はグラフのスケールを決める定数である.
は1にす
るのが普通である.以降,
として話を進める.
は,x軸のオフセット
である.
は基準点(
)での,yの値である.もう一度ちゃんと書くと,データは,
と片対数方眼紙でプロットされる.
このグラフでは,指数関数
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(5) |
が直線になる.これは,
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(6) |
から,底が
や
でもおなじことである.一般に,片対数方眼紙は,指数が10の時,
便利に使えるように考慮されている.と思っていたら,今回,捜してきた片対数グラフは
そうなっていない.非常に驚いたが,近頃はそういうのもあるらしい.ここでは,昔から
使われてきた,横軸の10目盛り(10cm)の寸法と縦軸の1桁が10cmと等しいものを対象にす
る.
そこで,
がどのように表されるか,考える.式(
4)より,
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(8) |
となる.一方,
は,式(
7)を式(
4)に代入して
計算すればよく,
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(9) |
となる.したがって,グラフ上の傾きは,
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(10) |
となる.これから,片対数方眼紙では,指数関数が直線で表せることが分かった.そして,
その傾きは,
を表し,
が容易に求まることが分かった.
このグラフは,片対数方眼紙と同じように考えることができ,データ
は,グラフ
上の
に変換される.
この方眼紙は,
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(12) |
が直線になる.このことを,今までと同じように確認してみよう.まずは,式
(
11)から,
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(13) |
となる.次に,
であるが,
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(14) |
と変形しておく.これを,式(
11)に代入して,整理すると,
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(15) |
となる.したがって,グラフ上の傾きは,
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(16) |
となり,いつも一定で直線になる.
通常,両対数方眼紙は,になるように作られるので,グラフの傾きは
をあらわす.
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Yamamoto's laboratory著者:
山本昌志
Yamamoto Masashi
平成19年6月24日