図の左端に書かれているcharとint、doubleはその変数の型を示してお り、それぞれ文字型、整数型、倍精度実数型を表す。これは変数に代入できる値の種類が 決まっていると考える。文字型の変数(c, h, moji)には1文字が、整数型の変数 (i, j, seisu)には整数が、倍精度実数型の変数(x, y, jisu)には実数を入れ ることができる。このように変数には、型と変数名があることを理解して欲しい。プログ ラム中では、この変数に入れられた値を操作するのである。
型と変数名の指定は、プログラム中の中括弧 で囲まれた部分の最初に
char c, h, moji; int i, j, seisu; double x, y, jisu;のように書く。これを変数の宣言と言う。
諸君は方程式を使って問題を解く場合、変数というものを使っている。数学の変数とC言 語の使用方法での決定的な違いは、変数の型の宣言が必要なことである。プログラムの動 作にはこの変数宣言は無駄のように思える。これが必要なのは、コンピューターの都合で ある。たいていのプログラミング言語では、これを宣言することにより、メモリーを確保 する。必要なメモリー量はプログラマーが決めなくてはならない。コンピューターは、こ のプログラムがどの程度のメモリーが必要か全く分からないからである。
図1を見て分かるように、箱の大きさが型によって異なる。これ は、一つのデータを表現するために必要な情報量が異なるためである。情報量の単位は、 ビット(bit)が使われる。2 進数の1桁を1ビットと言う。8ビットで1バイトとなり、それ がコンピューターで使われる基本単位となる。
同じint型でもいろいろあり、表現できる範囲が異なっている3。これは一つの変数の情報量の差か ら生まれる。C言語で使われる型によって表現できる範囲は、教科書の表3-1(p.34)に示さ れている。全てのC言語は同一になっておらず、諸君が使っているシステムではこの表の ようになっている。いろいろな型があるが、ほとんどの場合、char、int、 doubleで十分である。諸君が作るプログラムでは、これらで十分、間に合うが、問 題が生じたときのみ他の型を使えば良い。
文字型の変数に代入できるのは、諸君の教科書の表紙の裏の黄色のページの文字コード表 に書かれているもののみである。漢字や平仮名を代入したい場合は、文字型の配列を使う ことになる。興味のある者は自分で調べよ。
文字型と整数型、実数型の変数を宣言、それに値をに代入、そして画面へ出力するソース をプログラム2に示す。各行の内容は以下の通りである。