電場
は、発散を表す式(
9)と回転を示す式
(
15)の微分方程式を解けば計算できるが、大変である。一般
にベクトルの方程式を計算するのは大変である。一方、スカラー場
を計算し、その
勾配から電場を計算するのは比較的簡単である。
それでは、スカラー場が満たす方程式を考えよう。スカラー場の勾配が電場、
となる。また、電場の発散が電荷密度、
である。したがって、
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(20) |
となり、スカラーポテンシャルは
となる。この式を「ポアソン方程式」と言う。また、領域に電荷がない場合、
となり、この式を「ラプラス方程式」と言う。静電場の場合、一般的にはポア
ソン方程式で、電荷が無い特別な場合「ラプラス方程式」となる。
ポアソン方程式(21)は、スカラーの方程式なので解きやすい。
解きやすいといっても、これを直接計算するのは、そんなに易しいことではない。そこで、
直感的にこの微分方程式の解(ポテンシャル)を求めることにする。電荷が点電荷の場合の
この微分方程式のポテンシャルは、すでに分かっており、式
(19)のとおりである。
次に複数の点電荷がつくるポテンシャルを考える。この場合、電場は重ね合わせの原理が成り立つの
で、
となる。ここで、不連続な点電荷
を連続的な電荷密度
に置き換えると、和は
積分に置き換わる。従って、
となる。これが、ポアソン方程式(
21)の解である。無限遠を基
準(
)としたときの任意の場所のポテンシャルを示す。
ポテンシャルが分かるとなにがうれしいか?。それは、ポテンシャルはそれだけでも電圧
という物理的な意味がある。それだけでもうれしいが、それを微分することにより電場も
求められるのである。ポテンシャルが分かると静電場の問題は解けたと言える。
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Yamamoto's laboratory著者:
山本昌志
Yamamoto Masashi
平成19年6月24日