回転を考えるために、電場の線積分を考える。図1の場合の二つの積分 経路AとBの積分を考えると。電場の線積分の結果は、どちらも同じ値になる。それは、
この積分はなにを表すか?、少し考えよう。電荷が電場 の中に置かれたとき の力を受ける。従って、 は電場が電荷にする仕 事量になる。このことから、式(10)は電荷を乗じた量は、電場の仕事 量
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1つ電荷ではなくて、もっとたくさんの電荷がある場合、電場はそのベクトル 和、 となる。したがって、電場 の線積分は、それぞれの線積分
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このことから、また別の結論も引き出せる。任意の閉曲線の沿った線積分
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以上より、静電場の発散を表す式(9)と回転を示す式 (15)を示すことができた。これで、発散と回転が分かったの で、これで静電場は決まる。
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このスカラー場 のことをポテンシャルと言う。ポテンシャルの定義式 (16)を積分したら得られる。聞きなれた言葉で言うと、電圧のこと である。重力場での高さと同じ役割を果たすことは、先に述べたとおりである。
次に、位置の関数としてのポテンシャルを決めたい。一般にポテンシャルの値に、任意の 定数を足し合わせても、その電場の大きさは変わらない。定数は微分(勾配)すると、ゼロ になるからである。ポテンシャルで重要な意味を持つものは、その差である。どこかに基 準を置いて、そこからの差でポテンシャルの大きさを定義する。ようするに、山の高さは 海面を基準にするのと同じである。あるいは、電気回路において、どこかにアース電位 (0V)を決めるのと同じである。基準を変えても、物理法則は何も変わらないことに注意が 必要である。
通常、無限遠点をポテンシャルの基準とする。すると、
もっと一般的に書くと、ポテンシャルは