2 なぜ情報モラルを学習するか?

ここ10年ほどで,全世界は加速度的に情報化社会に突入した.携帯電話の普及やインター ネットを使うためのPersonal Computer(PC)の利用者の増大からも,実感できる.この情 報化社会の特徴は,誰でもが世界とつながっていることである.例えば,ここ秋田に居な がらにして,アメリカ航空宇宙局(NASA:National Aeronautics and Space Administration)のコ ンピューターにアクセスできる.諸君が,
http://www.nasa.gov/externalflash/nasa_gen/index.html
とブラウザーに入れと,NASAのコンピューターが動き,情報が取得できる.すばらしい技 術で,諸君はこれを十分活用して,実り豊かな人生を歩んでいただきたい.

情報化社会は非常に便利な反面,不用意に飛び込むと,とんでもない被害に遭うことがあ る.また,思いがけないことで,加害者にもなりうる.インターネットでは詐欺が横行し ているし,犯罪関係のサイトも沢山ある.しかも,これらに誰でもが簡単にアクセスでき る.悪戯のつもりでうそ情報の電子メールを簡単に流すこともできる.そのうそ情 報が重大な結果を導き,犯罪として取り扱われる事態も想定できる.これらのことから分 かるように,誰でもが簡単に被害者や加害者になりうる社会になった.

このように情報化社会には陰の部分もあるが,100倍も1000倍も素晴らしいことは確かで ある.問題の部分を避けて,情報化社会に上手に適応し,情報機器を便利な道具として使 いこなすことが現代人には求められる.将来,エンジニアーを目指す諸君にとっては,そ れらを使いこなすことは必須の素養と言っても過言ではない.

情報化社会の陰の側面から,自分の身は自分自身で守らなくてはならない.もちろん,国が法的な整 備を整え,問題の部分を罰することを進めるが,それにも限界がある.世界中に拡がり, とてつもない勢いで技術革新が進められるIT(Information Technology)の世界では,国家 権力といえどもなかなか手に負えない.このITを利用する限り,自己責任が求められるこ とを忘れてならない.

自己責任が原則であるが,この情報化社会に適応できる人材を育てることが強く求められ ている.これから,我々は,よちよち歩きの諸君を情報化社会に巣立ちさせるために教育 を進める.本日が,その第一歩で「情報モラル」について説明する.とくに, 情報機器を使う上で,禁止事項について述べる.これから説明することを守れば,"大き な被害者" や"大きな加害者"になるようなことは無いだろう.

しかし,本テキストの内容が情報モラルの全てではない.そのため,本日の講義を越えて学 習したい者のために,最後の6節に参考となるwebページを載せてい る.




まとめ(なぜ情報モラルを学習するか?)
  • インターネットは素晴らしい技術であるが,犯罪などに絡んだ陰の部分もある.
  • 情報技術の発展により,誰でもが簡単に犯罪の被害者となりうる.そ れとともに,加害者にもなりうる.
  • 犯罪の被害者・加害者にならないように,情報モラルを身につけ,情報化社会に 適応して生きなくてはならない.





ホームページ: Yamamoto's laboratory
著者: 山本昌志
Yamamoto Masashi
平成18年4月11日


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