これから,諸君はUNIXと言うOS
2を使って,C言語の学
習を行う.もちろん,自宅や学校のWindosを使って,C言語の学習を行っても良い.この
授業で作成するプログラムは,WindosでもUNIXでも,あるいはMacintoshでも同じように
動作する.講義でUNIXを使う理由は,将来,諸君がUNIXを使う可能性があるからである.
とくに,情報系の仕事をすると必ずそのスキルは必要で,学生の間に触れておく方が良い.
UNIXを使う場合,そのファイル構造を知っておく必要がある.プログラムやデー
タを整理して管理するためには,それを理解して,自在に操作しなくてはなら
ない.これは,そんなに難しいものでは無い.Windows使っている者であれば,
Windowsのファイル構造と操作は無意識に身についている.UNIXも似たような
ものである.
本授業で使うUNIX(Linux)のディレクトリー構造は,図1のようになっ
ている.これは,木構造と呼ばれる階層構造で,図を反対にすれば,ちょうど木の幹と枝
のようになっていることが分かる.木は根(root)が必ずあり,そこから,枝が延び,節で
分かれ,末端には葉がある.「/」ルートディレクトリ(記号としては「スラッシュ」と発音)
が根に相当し,その他のディレクトリが節に,ファイルが葉に相当する.ディレクトリ
(Directory)はWindowsのフォルダに相当するもので,他のファイルあるいはディレクトリを
格納できる.ディレクトリを用いる事により,種類別にファイルを整理するとともに,階
層別にそれらの管理ができるので便利である.
UNIXに限らず,WindowsやMacintoshもファイルの管理はツリー構造となっている.ただ
し,UNIXではファイルの管理は厳しいが,WindowsやMacintoshはかなり甘い.前者は,複数
のユーザーが使うことが前提としているため,ファイルの操作の権限を設けて,他人のファ
イルに触れなくていている.後者は,もともと個人の使用が前提なので,その辺はいい加
減である.
これから,UNIXを使う場合,以下のことを理解しておく必要がある.
- UNIXのハードディスク3のファ
イル構造は,図1のようにツリー(木)構造呼ばれる
階層構造になっている.それは,ファイルとディレクトリーから構成さ
れる.
- ハードディスクなどに記録されたデータのまとまりをファイルと言う.
コンピュータが実行することができる命令の集合であるプログラムファ
イルと,コンピュータの利用者が作成した情報を記録しておくデータファ
イルがある.
- ファイルを分類・整理するための保管場所をディレクトリー
4と言う.関連する複数
のファイルをまとめて一つのディレクトリーに入れることにより,効率
的に記憶装置を管理することができる.ディレクトリーの中にさらにディ
レクトリーを作成することもでき,階層構造によって細かい分類を表現
することもできる.
- ディレクトリーには,以下のように表現されるものがある.
- 今,自分が居るディレクトリーを,カレントディレクトリーと言う.
5カレントディ
レクトリーを明示したい場合は,1つのピリオド「.」 で表す.
- カレントディレクトリーの1つ上のディレクトリーを親デレクトリーと
言う.2つのピリオド「..」で,親ディレクトリーを表す.
- カレントディレクトリーの1つ下のディレクトリーをサブデレクトリー
と言う.複数存在することが可能なので,それぞれの名前で表す.
- ユーザー各個人が使用(読み,書き,実行)を許されている最上
位のディレクトリーをホームディレクトリーと言う.
- ログインしたときに入るディレクトリーをログインディレクトリーと言う.
通常はホームディレクトリーと同じである.
図 1:
UNIXのファイル構造とそれを扱うコマンド
|
デスクトップの上に,ユーザー名+ホームと書かれたアイコンがある.これが,諸君のホー
ムディレクトリーを表している.ダブルクリックしてみると,その中身が見える.そして,
次のマウス操作により,ディレクトリーの移動ができる.
- メニューバーにある上へと書かれた上三角マークをクリックすると,親ディレク
トリーに移れる.
- ディレクトリーをダブルクリックするとサブディレクトリーへ移れる.あるいは,
サブディレクトリーを右クリックして,[開く]を選択するとそこへ移れる.
- メニューバーにあるホームと書かれた家マークをクリックすると,ホームディレ
クトリーに移れる.
ホームディレクトリーよりも下の階層であれば,自由にディレクトリーの作成と削除がで
きる.また,ディレクトリーやファイルの移動もできる.マウスを使ってのファイルの操
作は,以下のようにすれば良い.今後,プログラム作成を行うので,これらの操作には十
分慣れておく必要がある.
- 右クリックして,新規作成のフォルダを選択する.そうすると,フォルダー名前
を聞いてくるので,それをタイプする.これで,新たにサブディレクトリーがで
きる.
- 削除したいディレクトリーあるいはファイルを右クリックする.そうして,ごみ
箱へ移動を選ぶと,削除できる.
- ファイルやディレクトリの移動は,ドラッグアンドドロップをつかう.
- [練習1]
- ホームディレクトリーにhogehogeとfugafugaとい
うサブディレクトリーを作成せよ.
- [練習2]
- サブディレクトリーhogehogeに入り,その中に
hogehogeというサブディレクトリーを作成せよ.
- [練習3]
- ここで作成したサブディレクトリーを全て削除せよ.
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Yamamoto's laboratory著者:
山本昌志
Yamamoto Masashi
平成18年5月2日