コンピューターは計算をする機械である.絵を表示させたり,音を鳴らしたりもできるが,
内部では猛烈な勢いで計算を行っている.この計算を行うためには,
命令と
データが必要である.コンピューターで
3+5を計算する場合,
3と
5がデー
タで,
+が命令である(図
7の左).この命令とデータを書いたものがプ
ログラムである.
通常のプログラムでは,データが数値のまま裸で表れることは滅多に無い.数値のままデー
タをプログラム中に記述すると,プログラムの変更が大変難しくなる.このことは,今は理解でき
なくてもよい.しばらく経験を積めばわかる.当面の間,諸君の作成するプログラムには
裸でデータを書いても問題ない.
データは裸の数値で表すのではなく,変数という入れ物に入れる.その入れ物--変数--
には名前が付けられている.命令は,その名前を指定して,データを操作する(図
7 の右).この辺は,プログラムを作れば,すぐに理解できる.
図7を見ると,C言語で使う変数は数学と同じではないか--と思うかもしれ
ない.しばらくは,数学と同じと考えてよい.もう少し,進んだ学習をすると,数学との
違いが分かってくる.
変数を使うためには,定義が必要である.数学では勝手に使えたが,C言語のプログラム
では必ず定義が必要である.例えば,整数(integer)を入れる入れ物--整数型の変数--
を使うためには,
int a,b,c;
と定義を書く.これにより,整数型の変数
a, b, cが使えるようになる.コンピュー
ターにこの変数を使いますよと教えているのである.
この定義を書く場所も決まっている.プログラムの先頭--関数の先頭--にまとめて,書
かなくてはならない.変数を使ってプログラムは,図
8のように書く.
教科書p.43の表に,使用頻度の高い演算子がまとめられている.余りを計算する演算子
(
%)以外は,説明するまでもなく分かるだろう.余りを計算する演算子は,
10%4とすると,計算結果は
2となる.割り算の余りを計算している.
割り算の演算(/)も気を付けることがある.整数/整数の結果は整数になり,小
数部は切り捨てられる.整数の割り算を行う場合,このことを忘れては成らない.
C言語のイコール(
=)は代入演算子と呼ばれ,数学のイコールとはまったく異なる働
きをする.
- 数学のイコールは,左辺と右辺が等しい--ということを表している.
- C言語のイコールは,右辺の式を計算して,左辺の変数に代入する--という操作の
命令を表している.したがって,左辺は,必ず変数となる.
C言語のイコール--代入演算子--の動作を図
9に示す.
図 9:
C言語のイコール--代入演算子--の動作
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変数に入れられた値は,
printf()関数を使うことにより,表示ができる(p.44).表
示の方法は,図
10のようにする.
- 整数を書きたい部分に%dと書く.
- ダブルクォテーションの後に,%dに対応した変数を書く.
%dの
dは,10進整数(decimal number)を表している.
図 10:
printf()関数を使った変数の表示方法
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Yamamoto's laboratory著者:
山本昌志
Yamamoto Masashi
平成18年5月9日