技術者にとって,フーリエ積分よりもフーリエ変換の方が重要である.指数関数形で書か
れたフーリエ積分は,
である.式(
16)は
フーリエ変換(Fourier transform),
式(
17)は
逆フーリエ変換(inverse Fourier
transform)と呼ばれる.
これらの二つの式はよく似ているが,指数関数の符号が異なり完全に対称ではない.
フーリエ変換と逆フーリエ変換の両方の式には,係数
がかかっている.
この式の導出過程からも分かるように,どちらか一方にをかけるだけでもよい.
そののうに記述した教科書も多い.どちらでも良いのある.
フーリエ変換を表す式(
16)や式
(
17)はオイラーの公式を使って,
と書き換えることができる.
もし,関数
が偶関数であれば,式
(
18)は
となる.なぜならば,
の項は偶関数と奇関数の積分でその値はゼロとなり,
積分に寄与しないからである.そして,この
も偶関数となる.
となるからである.したがって,逆フーリエ変換は,
|
|
(21) |
となる.関数
が偶関数の場合のこれらの変換を
フーリエ余弦変換と呼ぶ.
もし,関数
が奇関数であれば,式
(
18)は
となる.この
は奇関数である.したがって,逆フーリエ変換は,
|
|
(23) |
となる.これらの変換には虚数単位の
があり,みっともない.そこで,
|
(24) |
と変数変換する.すると,
となる.関数
が偶関数の場合のこれらの変換を
フーリエ正弦変換と呼ぶ.
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Yamamoto's laboratory著者:
山本昌志
Yamamoto Masashi
平成19年1月19日