4 実験機材と部品の使用上の注意

4.1 実験機材

ここでの実験は,班でひとつの実験を行うのではなく,ひとりひとりが個別にライントレー スカーを製作する.そのため,各人毎に部品を配布する.他の人の部品を流用してはなら ない.もし,部品の不足があるならば担当の教員に申し出ること.

2に,ひとり当たり必要な実験器材を示す. これらの機材を用いると,基本モデル(低速)あるいは高速モデルのライントレースカーの 作成ができる.

プログラムの作成はクロスコンパイラーで行う.Linuxがインストールされているパソコ ンでプログラム作成からコンパイルまで行い,バイナリーデータをH8マイコンに転送する. 電気棟3Fの電気情報工学実験室に設置しているパソコンには,プログラム開発に必要な環境 をインストールしている.

表 2: 実験器材.基本モデルと高速モデルに対応できるように,機材を準備している.
装置 メーカー 型番/仕様 数量
パソコン     1
H8マイコンボード 秋月電子通商 AKI-H8/3664N 1
ブレッドボード サンハヤト SAD-01 1
ニッケル水素電池   単三型1.2[ $ \mathrm{V}$]2300[ $ \mathrm{mA}$] 4(内予備2個)
9V電池(006P)   9[ $ \mathrm{V}$] 1
赤色LED     4
トランジスター 東芝 2SC1815 4
ダイオード     2
レンズ付き反射型フォトリフレクタ SHARP GP2S05 5
インバーター(NOT回路)   74HC04AP 1
抵抗   15 [k$ \Omega$] 5
    5.1 [k$ \Omega$] 2
    3.3 [k$ \Omega$] 4
    10 [$ \Omega$] 1
タクトスイッチ     1
ジャンパーピン     3
D-SUBコネクター     1
ブレッドボード配線材     1式
キャスター ハンマーキャスター 420G-N 1
トラックタイアセット タミヤ   1セット
オフロードタイアセット タミヤ 楽しい工作シリーズNo.96 1セット
ツインモーターギヤボックス タミヤ 楽しい工作シリーズNo.97 2
ユニバーサルプレート(2枚セット) タミヤ 楽しい工作シリーズNo.157 1
M2.6$ \times$10 十字穴付なべ小ねじ     2
M2.6 ナット     2
M2.6 ワッシャ     4
M3$ \times$30 十字穴付なべ小ねじ     4
M3$ \times$40 十字穴付なべ小ねじ     1
M3 ナット     15
M3 ワッシャ     14

4.2 使用上の注意

実験をはじめる前に以下の注意を読み,正しく機器を使うこと.ここでは,誤った使い方 をして,破壊しやすいあるいは危険なものとして,半導体と電池,ブレッドボートについ て注意を行う.

4.2.1 半導体

半導体部品は定格を超えた使い方をすると,即座に壊れる.コイルやコンデンサー,抵抗 などのパッシブな部品と比較して,その定格の電流や電圧が低いのが普通である.そのた め,半導体部品は丁寧に取り扱わなくてはならない.以下,注意事項を列挙する.

図 2: LED外観と記号
\includegraphics[keepaspectratio, scale=0.65]{figure/LED.eps}
図 3: トランジスターの外観と記号
\includegraphics[keepaspectratio, scale=0.65]{figure/transistor.eps}

図 4: ダイオードの記号と外観.
図 5: インバーター74HC04APの電極.
\includegraphics[keepaspectratio, scale=0.8]{figure/diode.eps} \includegraphics[keepaspectratio, scale=0.6]{figure/74HC04AP.eps}
図 6: 反射型フォトリフレクター.
\includegraphics[keepaspectratio, scale=0.6]{figure/photo_ref.eps}

4.2.2 電池

電池は取り扱いを誤ると,非常に危険である.短絡(ショート)させてしまうと,とても高 温になる.なぜならば,一般に電池の内部インピーダンスは低く,多くの電流を流すこと ができるからである.

細心の注意を払い実験を行わなくてはならない.電池を絶対にショートさせるな!

4.2.3 ブレッドボード

前期の実験と同じように,図7に示すブレッドボード上に回路 を作成する.ブレッドボードだと,回路の変更が容易である.半田付けを行った場合,回 路の変更が大変であることは容易に想像がつく.そのようなことから,頻繁に回路の変更 があるような場合には,ブレッドボード上に実験的に回路を作成することがよく行われる.

ブレッドボードを見て分かるように,たくさんの小さな穴が開いている.穴の間隔は1/10 インチとなっており,それはIC(Integrated Circuit)の電極の間隔に等しい.この穴にICを 差し込んで,回路を作成する.ICに限らず,抵抗やスイッチ,トランジスター等の半導体 部品も差し込むことができる.差し込んだ部品は配線材(ジャンパー線)を使い電気的に接 続することで電気回路になる.

ブレッドボードを使うためには,内部の配線を理解しなくてはならない.図 7 に,ここで使うブレッドボードの内部配線をしめす.数個 の穴が内部で,電気的に接続されている.この接続を理解して,ブレッドボードを上手に 使おう.

電子部品と専用の配線材(ジャンパー線)をブレッドボードに差し込むことにより,電気回路を作成する.そ の配線材を使うとき,以下を厳守すること.

図 7: ブレッドボードの内部配線
\includegraphics[keepaspectratio, scale=1.0]{figure/bread_bord_block.eps}

ホームページ: Yamamoto's laboratory
著者: 山本昌志
Yamamoto Masashi
平成19年12月27日


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