3 レポートの書き方

3.1 一般的なこと

3.2 文書構造と書き方

3.2.0.1 構造

工学で使われる技術文書には,どれも構造が決まっている.諸君の実験実習のレポートの場合,大体,以下のような構造である.実験内容によっては,多少異なるがこのスタイルで記述すれば,見通しの良い分かりやすいレポートが出来上がる.
  1. 目的
    実験の目的,学習内容を簡潔に記述する.指導書の最初に書いてある.
  2. 原理・実験方法
    原理や実験方法は,指導書のように詳細に書く必要はない.特に,式の変形は不要で,最終的な結果のみを書けばよい.3ページ以内に簡潔にまとめることに心がけよ.実験の目的から,何をどのように測定するかを記述する.また,次節の結果を説明するときに必要な内容を書く.場合によっては,原理と実験方法を別々の節に分けても良い.計測器は,メーカー名と型番を書くこと.
  3. 結果
    測定結果は整理を行い,表やグラフにまとめ,一目でわかるようにする.そして,その結果が示すことを文章で記述する.目的の節で,測定内容の記述があれば,それについては必ず明確に書く.測定データが大量にある場合は,ここでは結果の表やグラフのみを示し,データそのものは付録に書く.
  4. 考察
    この節が最も重要である.まず,理論と結果の比較について述べる.これらの結果が一致していれば,それが妥当なのか否か,検討を行い自分の考えを述べる.一方,これらに乖離が見られるならば,その原因について,検討を行う.検討内容とそこから導かれた推測を述べ,それを確認する方法などを記述する.結果に対して,自分の考えをきちんと論理的に述べる必要がある.また,実験目的に対しての考察が必要な場合もある.
  5. 考察課題
    与えられた課題を自分で調べ,自分の文章で,わかりやすく記述する.
  6. 感想
    実験およびレポート作成を通して,感じたことを書く.
  7. 付録
    文章を読むときの流れの妨げになるが,記録として残す必要があるものを書く.例えば,大量の実験データとか長い式変形,あるいはプログラムなどがそれに当たる.
  8. 参考文献
    レポート作成時に参考とした文献やwebページを書く.記述方法は,見本のレポートを見よ.
これらの,目的や理論,結果などを節と言う.指導書も同じような文書構造をしている.

3.2.0.2 注意

構造が決まれば,文書の骨格ができた.あとは,これに肉付けをすれば,レポートが出来上がる.その際には,以下のことを守ること.

3.3 文章の書き方

技術的なレポートは,他人が読みやすい簡素な表現が良い.具体的には,以下のことを心がけよ.

何度も読み直して,修正を施すと,分かりやすいレポートができあがる.レポートを書き上げたら,そのまま提出するのではなく,一度は読み直して,修正することに心がけよ.

3.4 グラフの書き方

グラフはデータを一目でわかるように,図に示したものである.そのため,分かりやすいことに加えて,美しく仕上げなくてはならない.美しく仕上げるためにも,パソコンを使ったグラフ作成を勧める.

大体,以下の注意を守れば,良いグラフができる.

3.5 表の書き方

表は,データを整理してわかりやすく示すものである.

3.6 式の書き方

式は別行にして,中央に書く.そして,右端に通し番号をつる.見本のレポートを見よ.

3.7 参考文献の書き方

見本のレポートを見よ.
ホームページ: Yamamoto's laboratory
著者: 山本昌志
Yamamoto Masashi
平成19年5月28日


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