解析の対象は図1に示すような軸対称構造物である.対称性を考慮す ると,rz平面の上半分のみを計算すればよい.解析の対象としている で は,上半分と下半分は同じ電磁場となるからである.このような単極モードではなくとも 多極モードでも,上半分が計算できれば下半分の計算ができるので,やはり半分のみを解 析の対象とすればよい.
rz平面での形状が長方形で形作られているが,これが最終的に計算するメッシュとなる. この長方形の面の中心に磁場が,辺の中心に電場とがある.このよ うに長方形により離散化された電磁場を計算することになる.多くの長方形により計算す る領域が構成されることになるが,長方形の大きさは一様である必要はない.だが一般的 には計算を容易にするために,実際にはプログラムを容易にするために,一様な大きさの 正方形を用いる.
電磁場のみならず,FDTD法では時刻も離散化しなくてはならない.本間らの教科書 [1]に示しているように,電場と磁場を交互に計算するよ うに,時刻を計算する(図3).長方形メッシュにより,電場と磁場を 計算する位置が交互になっているように,時間領域でも交互に計算するのである.計算す る時間間隔もまた一定にする必要はないが,一定間隔にする方が計算が容易である.
電場も磁場も位置と時刻の関数で,通常の表記だと式が長くなる.そこで, 簡潔に式を記述するために,参考文献 [1]と同様,以下 の表現を用いることにする.
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